夏といえば海!今回は海に関する面白い慣用句を音声付で紹介します。その中の1つが『Tra il dire e il fare c’è di mezzo il mare. 言うは易く行うは難し』
美しい言語であるイタリア語には日本語同様面白い言い回し・慣用句があります。今回は夏にちなんで”海”に関する慣用句を紹介。ネイティブイタリア人による音声テキストを聞いてリピートしてみましょう。
Essere in alto mare
直訳だと“航海中である/大海原にいる”ということ。海のど真ん中で自分の方向すらわからないということから⇒ 『 (謎や解決を解く)手がかりがない』、『達成するには程遠い』という意味。
“non riesco a studiare per l’esame, sono in alto mare”
試験勉強に身が入らない、やり遂げるには程遠い。
In un mare di guai
直訳は“災難の海の中”,つまり『トラブルの最中/災難にあっている』。通常、再帰動詞の “cacciarsi 入り込む/隠れこむ” 又は “ficcarsi 閉じこもる/入り込む”と共に使うことが多い。これらの再帰動詞はともに面倒なことに巻き込まれてしまった状況から抜け出すのが難しいことを示唆する。
※ 再帰動詞についてのブログはこちらをご参照ください。
“mi sono cacciato in un mare di guai!”
面倒なことに巻き込まれてしまった!
Promettere mari e monti
『守れない約束をする』という意味で皮肉を含んだ言い回し。同じ意味合いで使われるのは“fare promesse da marinai”。
“i politici promettono solo mari e monti”
政治家達は守れない約束ばかりする。
Tra il dire e il fare c’è di mezzo il mare
直訳は”言うのとやるのと間には海がある”、つまり大きな隔たりがあるということで『言うは易く行うは難し』ということ。
C’è maretta
marettaは “さざなみ”。『張り詰めた空気が漂っている/緊張した空気が漂っている』
“in ufficio c’è maretta, sta succedendo qualcosa”
オフィスに張り詰めた空気が漂っている、何かが起ころうとしている。
una goccia nel mare
直訳は”海に一滴”、つまり『わずかなもの/些細なもの』ということ。
“ho donato dei soldi per i bambini bisognosi, ma è una goccia nel mare”
(私は)貧しい子供たちに寄付をしたがほんの些細なものにすぎない。
buttare a mare
直訳は”(何かを)海に投げ捨てる”ということ。イディオムとしての意味合いは何か馬鹿げたことをしでかして『チャンスを逃す』という意味。文法的にも少し変わった言い方で”mare”の前の前置詞は”a”のみ。
“ho buttato a mare un’occasione d’oro”
(私は)大きなチャンスを逃してしまった。
日本語にも海に関する慣用句は「滄海の一粟」や「海を山にする」などがあります。慣用句は独特な表現で知れば知るほど楽しくなります。今回は海に関する慣用句を紹介しましたが、その他の様々なイタリア語慣用句表現についてはこちらのブログをお楽しみください。