イタリア語の補助動詞-verbi servili

今回はよく使われる補助動詞について学びましょう。補助動詞はイタリア語で vervi servili 又はverbi modali といいます。補助動詞は動詞の不定詞と組み合わせて可能、許可、義務、要求、願望、能力などを表現します。英語でいうと”must” “can” といった助動詞に値するものです。今回は補助動詞の現在形について詳しく見ていきましょう。


★ イタリア語の補助動詞について ★

イタリア語の補助動詞には dovere (~しなければならない), potere (~できる), volere (~したい), sapere (~できる) の4つがあり、不定詞と組み合わさって義務や許可、可能などを表現します。

まず 補助動詞である volere のない文章とある文章を比較してみましょう。

  • Mangio una pizza.     私はピザを食べる。
  • Voglio mangiare una pizza.    私はピザを食べたい。

最初の例文は単にピザを食べるということ。一方補助動詞 volere がある2つ目の文章は食べたいという願望・希望を表現します。


★ 補助動詞の現在形 ★

【dovere/potere/volere/sapereの現在形活用】 +【 -are/-ere/-ire動詞の原形】

補助動詞の直説法現在形の活用形と過去分詞(participio passato)

補助動詞doverepoterevoleresapere
iodevopossovoglioso
tudevipuoivuoisai
lui/leidevepuòvuolesa
noidobbiamopossiamovogliamosappiamo
voidovetepotetevoletesapete
lorodevonopossonovoglionosanno
過去分詞dovutopotutovolutosaputo

★ dovere


義務や必然性を表現するときに使います。

  • ~しなければならない(義務)
  • ~すべきである(義務、提案)
  • ~する必要がある(必要性)
  • ~に違いない ( 推量)

否定形は肯定文の一番前に “non”をつけます。これは他の補助動詞においても同じです。
dovere は否定文にすることで『~してはいけない』という禁止の表現もあります。
例文;

  • Non deve entrare. 入ってはいけません。
  • Non dovete fumare qui. ここではタバコを吸ってはいけません。

疑問文は語尾に疑問符を置き、語尾を上げて⤴発音します。これは他の補助動詞においても同じです。
例文; Devi dire qualcosa ?  君は何か言わなければならないことはある?


それでは音声付のdovereの例文をみてきましょう。

  • Devo andare dal dentista.
    私は歯医者に行かなければならない。
  • Devi lavorare di più.
    君はもっと働くべきだ。
  • Lucia deve pagare la cena.
    ルチーアは夕飯を支払わなければならない。
  • Dobbiamo fare la spesa.
    私達は買い物をしなければいけない。
  • Dovete venire a Milano.
    君達はミラノに来なければならない。
  • Devono cambiare il vestito.
    彼らは服を着替える必要がある。

※ dovere がどのような意味で使われているか状況や前後の文脈によって異なることもあります。上記の和訳は参考までの意味です。


potere


可能や許可を表現するときに使います。

  • ~できる(可能性、依頼)
  • ~してもよい(許可)
  • ~かもしれない(可能性)

否定形や疑問形の例文;

  • Non può fumare qui.
    ここでタバコを吸ってはいけません。
  • Posso fare una telefonata?
    電話をしてもいいですか?(許可)
  • Puoi aprire la finestra?
    (君は)窓を開けてくれませんか?(依頼)

音声付のpotereの例文をみてきましょう。

  • Posso visitare Napoli.
    私はナポリに行ける。
  • Puoi venire a casa mia.
    君は私の家に来てもよい。
  • Stefania non può incontrarci.
    ステファーニアは私達に会えない。
  • Non possiamo tornare a Roma.
    私達はローマに戻ることができない。
  • Non potete entrare.
    君達は入ってはいけない。
  • Possono dormire a casa mia.
    彼らは私の家に泊まるかもしれない。

※ potere がどのような意味で使われているか状況や前後の文脈によって異なることもあります。上記の和訳は参考までの意味です。


volere 


願望や希望を表現する。英語でいうと”want to ~したい”ということですが主語が io の場合はこの補助動詞の現在形だと“私は~したい”、“私は~が欲しい”といった少し口調の強い印象を受けてます。そのため自分の願望や欲求を人に伝える時には条件法現在である (io) vorrei “~がしたいのですが” “~が欲しいのですが”と柔らかい口調でいうことが多いです。

  • ~したい(願望、希望)
  • ~がほしい(欲求)

否定形や疑問形の例文;

  • Non voglio tornare a casa.
    私は家に帰りたくない。
  • Volete venire al bar con noi?
    あなた達は私達と一緒にバールに行きたい?

voglio と vorrei の例文;

  • Voglio comprare questo.
    私はこれが欲しい。
  • Vorrei comprare questo.
    私はこれが欲しいのですが。

音声付のvolereの例文をみてきましょう。

  • Voglio studiare il francese.
    フランス語を学びたい。
  • Vuoi bere qualcosa?
    何か飲む?
  • Lucio vuole partire per l’India.
    ルーチョはインドに行きたい。
  • Vogliamo vedere la partita.
    私達は試合をみたい。
  • Volete ordinare la cena?
    君達は夕飯を注文したい?
  • Non vogliono ascoltarmi. 
    彼らは私の言う事を聞きたくない。

sapere 


能力的にあることができることを表現するときに使います。もともと『sapere=知っている』という意味ですが補助動詞として動詞の不定形を伴う場合は“~する術を知っている”、“~できる(能力)”という意味。

  • ~できる(能力)

✍ potere と sapere
どちらも”~ができる”という意味ですが potere は可能性や許可によって”~できる”というニュアンス。一方 sapere は経験や知識、学習などから何かをする術をもっているという意味での”~できる”。

  • Puoi cucinare stasera?
    今晩ご飯を作ってくれる?(今晩作るのは可能かどうかを聞いている)
  • Sai cucinare?
    君は料理ができる?(一般的に料理をする術を知っているかどうかを聞いている)

音声付のsapereの例文をみてきましょう。

  • So leggere il Giapponese.
    私は日本語が読める。
  • Sai guidare la moto?
    君はバイクに乗れる?
  • Non sa venire a casa tua.
    彼(彼女)は君の家への行き方を知らない。
  • Sappiamo decidere da soli.
    私達は自分たちで決断できる。
  • Sapete parlare lo spagnolo.
    君達はスペイン語が話せる。
  • Sanno giocare bene a calcio.
    彼らはサッカーがよくできる。

お疲れ様でした。

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    Mariko & Riccardo
    留学経験や豊富なイタリア語教授経験を活かし、小さなスクールならではのアットホームで個々のニーズに対応したサービス提供をモットーとする。 無類の猫好き、そして美味しいものが大好きでイタリアや日本の食文化をこよなく愛する。最近は食への探求心から家庭菜園でズッキーニやちょっと珍しいトマトを栽培中

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