近年気になる自然災害の一つである水害。豪雨や河川の氾濫などの急激な水量変化による被害の他、干ばつによる水不足問題も年々深刻化しています。
今回はイタリアでの水不足問題について目を向けてみましょう
この記事のポイント
- イタリアの水不足(siccità・crisi idrica)の現状と背景を、現地で使われる表現とともに紹介します。
- manca l’acqua、razionamento idrico、nubifragio など、ニュースで頻出する語彙を整理。
- ローマやバチカン市国の噴水停止、ポー川やコモ湖の水位低下など、具体的な事例を読み解きます。
- RyoとFrancescaの会話で、水不足に関する日常表現を自然な文脈で学びます(A2-B1レベル)。

毎年夏になると水不足のニュースが流れる。その度農作物やワイン用ブドウ収穫、畜産業が心配されるがなんとか事なきを得ているがどうやら今年の水不足はいつもと違う深刻さが伝わってくる。
2017年は去年の秋から続いている干ばつの影響で全国的に水不足に陥っているイタリア。7月28日時点ではイタリア半島の2/3が乾燥地帯と化している。重要な水源である湖や川が標準水位を下回っている状態が続いているとのこと。
“manca l’acqua 水不足”、”lo stato di emergenza 非常事態宣言” そして”siccità 干ばつ”というタイトルがニュースや新聞一面をかざる。そして7月下旬『Il Vaticano ha deciso di chiudere tutte le fontane バチカン市国は全ての噴水を止める決断を下した』というニュースが流れた。バチカン市国が隣接しているイタリアの大都市ローマは噴水停止はもちろんのこと、給水制限を行う予定とのことで生活にもかなり深刻な影響が出てくることになる。給水制限は地域を区切って1日8時間止める予定で実施されると150万人の市民が対象となるそう。
私自身シチリア州で水不足で給水制限を経験したことがある。シャンプーをしていた時に突然水が止まり泡だらけのままリビングに戻り断水したことを知った。その当時、給水制限が予定されていることは知らされていたが断水は予定を変更し突然行われた。東京育ちの私には思いもかけないことが起こるイタリア、この給水制限も今となっては良い思い出になっているが深刻さのレベルがかなり異なるようだ。
長引く干ばつで雨が降らない。。。と思ったら突然の豪雨や雹が降る地域もありその一つの例として先月ヴェネト州のVicenzaヴィチェンツァという町の近くでは乾き切った地に豪雨が襲い恵みの雨ではなく土砂崩れを起こしてしまい家屋や農作物に更なる被害をもたらした。
深刻さを増している水不足。当たり前のように使っている水や電気などに制限がきてようやくその大切さに気が付く。今後水不足が解消されることを願うばかりだ。
- afoso 蒸し暑い、うだるような
- arido 乾燥した、不毛な
- siccità 干ばつ、日照り
- nubifragio 豪雨、大雨
- grandine 雹
- temporale 嵐、豪雨
- fulmine 雷、稲妻
- temperatura massima 最高気温
- temperatura minima 最低気温
- il risparmio dell’acqua 節水
- la carenza d’acqua 水不足
- la crisi idrica 水危機
- potabile 飲用に適した
- l’inquinamento idrico 水質汚染
Dialogo: Ryo e Francesca parlano della siccità
RyoとFrancescaの会話:水不足について
Ryo: Ciao Francesca, ho letto sul giornale che a Roma hanno chiuso le fontane. È vero?
やあフランチェスカ、ローマで噴水が止められたって新聞で読んだんだけど、本当?
Francesca: Sì, purtroppo è vero. Quest’estate manca l’acqua un po’ ovunque. Anche il Vaticano ha spento le sue fontane.
うん、残念だけど本当よ。今年の夏はどこも水不足なの。バチカンも噴水を止めたわ。
Ryo: Davvero? E in casa, avete problemi con l’acqua?
本当に?家でも水のトラブルがあるの?
Francesca: A volte fanno il razionamento idrico. Ti chiudono l’acqua per qualche ora. Una sera ero sotto la doccia e all’improvviso… niente più acqua!
時々、給水制限があるの。数時間水が止められるのよ。ある晩シャワーを浴びていたら、突然…水がなくなったの!
Ryo: Che disastro! E perché c’è così poca acqua? Non piove?
大変だね!どうしてそんなに水が少ないの?雨は降らないの?
Francesca: Esatto. C’è una siccità lunghissima. Poi, quando piove, spesso è un nubifragio: troppa acqua tutta insieme, e arrivano frane e allagamenti.
そうなの。長い干ばつが続いてるの。そして雨が降るときは、たいてい豪雨で、一気に水が降って土砂崩れや浸水が起きるの。
Ryo: Capisco. Allora bisogna risparmiare l’acqua tutti i giorni, anche con piccoli gesti.
なるほど。じゃあ毎日、小さな行動でも水を節約しないとね。
Francesca: Esatto. Chiudere il rubinetto mentre ti lavi i denti, fare docce brevi… ogni goccia conta.
その通り。歯を磨くときに蛇口を閉める、シャワーを短くする…一滴一滴が大事よ。
Aggiornamento 2022: la crisi idrica continua
2022年アップデート:水危機は続く
2022年6月時点では近年で最悪と言われるほどの水不足が深刻化しています。毎年『異常な気候』『世界規模の温暖化』と言われ猛暑と干ばつがニュースで取りざたされますが北イタリアを流れるポー川、そしてコモ湖やマッジョーレ湖など多くの場所で過去70年で一番ひどい状態だと言われています。ある船の所有者は「皮肉にもこの干ばつで水位が下がり水底がむき出しになり今まで手の届かなかった船底を修理できている」と話していました。
日本でも7月を前に40度を超えた町がありますがイタリアでも5月から真夏のような暑さが始まりました。そして今年になってから殆ど雨も降らず平均降水量の半分ほどしかないとのこと。水不足だけでなくエネルギー源問題、そしてまだ続くパンデミックなど大きな課題が山積み状態です。
Domande frequenti
よくある質問
「manca l’acqua」はどんな状況で使いますか?
家庭で蛇口から水が出ない時、ニュースで地域全体の水不足を伝える時、両方で使えます。直訳は「水が足りない/水がない」です。例:In cucina manca l’acqua, hanno chiuso il rubinetto.(台所で水が出ない、水が止められた。)
siccità と crisi idrica の違いは?
siccitàは気象現象としての「干ばつ」、つまり長期間雨が降らない状態を指します。crisi idricaは社会的・経済的な「水危機」で、給水制限や農業被害などを含む広い概念です。ニュースでは両方が並んで使われることが多いです。
razionamento idrico とは何ですか?
「給水制限」のことです。一日のうち決まった時間だけ水を止める措置で、イタリアでは夏の干ばつ時に地域単位で行われます。例:Il razionamento idrico è previsto dalle 22 alle 6.(給水制限は22時から6時までの予定です。)
nubifragio と temporale の違いは?
temporaleは普通の「雷雨・嵐」、nubifragioは短時間に大量の雨が降る「集中豪雨」です。干ばつの後の nubifragio は土砂崩れ(frana)や浸水(allagamento)の原因になります。
このトピックはどのレベルで学べますか?
語彙自体はB1レベルですが、Ryo と Francesca の会話部分はA2でも理解できるよう設計しています。伊検3級(B1相当)の時事リーディング対策としても役立ちます。
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