ナツメ giuggiole

 今回は日本ではちょっと馴染みが薄いナツメ giuggioleというフルーツについての美味しいブログ。イタリアの秋を感じつつちょこっと文法でイタリア語の関係代名詞 CHI の使い方もチェックしましょう


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9月終わりから10月にかけてイタリアでは各地で葡萄収穫祭、栗祭り、カボチャ祭り、キノコ収穫祭・・・など美味しそうなイベントが目白押し。

そんな中で ” sagra delle giuggiole  【サーグラ デッレ ジュッジョレ】ナツメ祭り” なるものを発見。”giuggiole” はナツメのこと。日本では名前を聞いてもあまりピンとこないのですがナツメを乾燥したものは漢方として使われ名前は大棗(タイソウ)といいます。この大棗は葛根湯にも含まれている成分です。

イタリアでは生のジュッジョレを食すことができます。よく目にするジュッジョレの実はオリーブの実を一回り大きくしたくらいの大きさで味は味の薄いリンゴといった感じ。熟すと実は柔らかくなり甘味が増します。
一回り大きいジュッジョレもありますが味は小さいのと同じ。ジュッジョレの皮は薄く皮ごと食べます。皮の色は黄緑色で熟すと赤紫~褐色へと変わります。特に際立って美味しいというわけではないのですが食べ始めたら何となくやめられなくなる不思議なフルーツ。

この小さなジュッジョレ、実は栄養満点。ビタミンCをはじめとするビタミン群、カルシウムやカリウム、リンや葉酸が含まれています。そのため高血圧や気管支喘息や咽頭炎などのアレルギー症状、ストレス緩和、そして便通などを改善する効果があるといわれています。

このジュッジョレはそのまま生で食べたり、ジャムにして食べたりします。ジュッジョレが有名な町としてヴェネト州のアルクァ・ペトラルカ( Arquà Petrarca)があり最初に触れた” sagra delle giuggiole ” もこの町のものでした。

アルクァ・ペトラルカはとても小さな町ですがイタリアでは「イタリアの最も美しい村のひとつ」に選ばれたところで詩人フランチェスコ・ペトラルカが生涯を閉じた場所として知られています。少し話は脱線しますがここでミステリーな話を紹介したいと思います。フランチェスコ・ペトラルカはダンテ・アリギエーリとほぼ同年代に活躍した詩人。彼はトスカーナ州・アレッツォ出身ですが事情により様々な町を転々とし、1374年アルクァ・ペトラルカで生涯の幕を閉じました。彼の亡骸はこの町のS.Maria Assunta教会前に置かれました。しかし近年の解剖調査により頭部はペトラルカのものではなく見知らぬ女性のものであったことが判明。胴体においては彼が生前に負った怪我の特徴が本人と一致することが確認されました。誰が何の目的で頭部だけをすり替えたのかは謎のまま・・・


La casa di Petrarca
La casa di Petrarca
ペトラルカの墓
教会前にあるペトラルカの墓
大きいジュッジョレと通常サイズ
大きいジュッジョレと通常サイズ

さて話は戻りジュッジョレが有名なアルクァ・ペトラルカでは ” il brodo di giuggiole”というメニューがあります。スープ(brodo )といってもワインやグラッパ、レモン汁などを混ぜて作るものでリキュールといった方がいいと思います。アルコール度はレシピによって様々。アルコール度をあまり感じない程度から30%くらいの強いものなどがあり琥珀色のリキュールで室温又は冷蔵して飲むのが一般的。お祭りではしっかりジュッジョレの香と味がするリキュールを飲んだり買ったりすることができます。

また普段目にしないジュッジョレ入りパンやクリーム系リキュール、そしてハンドクリームなどの貴重なジュッジョレ製品を買うことができます。ジュッジョレ以外にハンドメイド製品や地元野菜の屋台が立ち並びいつもは長閑な中世の町が大勢の観光客で賑わいます。
珍しいフルーツ・ジュッジョレにまつわるお話でした。


このあと”ジュッジョレ”を使って関係代名詞 CHI について文法解説があります。どうぞイタリア語をお楽しみください。

ジュッジョレの木
ジュッジョレの木
Festa delle Giuggioleでの屋台
Festa delle Giuggioleでの屋台
ジュッジョレのリキュールが入った樽
ジュッジョレのリキュールが入った樽

§ ちょこっと文法 関係代名詞 CHI §

 例文)Le giuggiole sono benefiche per chi soffre di insonnia.
   ジュッジョレは不眠症に悩む人に良い効果がある。

“chi” は関係代名詞でこれ自体に先行詞を含みます。特定の誰かを指し示すのではなく一般的に『~する人』『~である人』という意味で人について補足説明します。”chi”は男性単数の形で扱われ関係節の主語又は直接目的語にあたる場合に使用します。

用法;

  1. 一般的に意味する 『~する人』
    Chi va piano va sano e va lontano.

    ゆっくり歩む人は健やかに遠くまで行く(イタリアの諺)

  2. 不特定な人を指し示す『~である人』
    Vorrei regalare questo libro a chi studia l’italiano.

    私はイタリア語を勉強している人にこの本を送りたいな。
  3. 『誰が』
    Chi ha affrescato la Cappella Sistina ?  

    誰がシスティーナ礼拝堂のフレスコ画を描いたの?

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    Mariko & Riccardo
    留学経験や豊富なイタリア語教授経験を活かし、小さなスクールならではのアットホームで個々のニーズに対応したサービス提供をモットーとする。 無類の猫好き、そして美味しいものが大好きでイタリアや日本の食文化をこよなく愛する。最近は食への探求心から家庭菜園でズッキーニやちょっと珍しいトマトを栽培中

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