codesto 完全ガイド|忘れられた指示詞「あなたのそれ」(C1)

🔍 ひとことで言うと。イタリア語のcodesto(コデスト)は「あなたのところにあるその」を意味する忘れられた指示形容詞・指示代名詞です。三つの距離を区別する古典的な指示詞のうちの一つで, questo(私の近くにあるこの), codesto(あなたの近くにあるその), quello(私たちの両方から離れたあの)。現代の標準イタリア語ではほぼ消滅していますが, トスカナ方言, 法律文書, 行政用語で生きています。「Vi prego di prendere visione di codesta lettera.(あなた方の手元のこの手紙にお目通しください)」のような形で官僚イタリア語に残る言葉。C1・伊検準1級から1級にかけて, 歴史と地域差を知るうえで重要な単語です。


codesto と三つの距離の指示詞
聞き手の近くを指す「それ」の仕組み

イタリア語にはもともと, 三つの距離を区別する指示詞の体系がありました。questo(話し手の近く – これ・この), codesto(聞き手の近く – それ・その), quello(話し手も聞き手も離れた – あれ・あの)。これは日本語の「これ・それ・あれ」と完全に対応する美しい三角関係です。古典的なトスカナ方言や19世紀の文学作品で頻繁に使われていました。「Codesto libro che tieni in mano è interessante?(あなたの手にあるその本は面白い?)」のように。

現代の標準イタリア語では codesto はほぼ消滅しました。「あなたのほうのそれ」を表すには quello を使うか, 名詞で繰り返すのが一般的です。「Il libro che hai in mano」(あなたが手に持っている本)「Quel libro lì」(そこのその本)のように。codesto はトスカナ方言, 法律文書, 行政用語, 古い文学作品でのみ生きています。日本人が「これ・それ・あれ」の感覚をイタリア語にそのまま当てはめると, 自然な表現にならないので注意が必要です。

距離古典イタリア語現代標準日本語
話し手の近くquestoquestoこれ・この
聞き手の近くcodestoquello (lì) / questo (が混合)それ・その
両者から離れたquelloquelloあれ・あの

日本語を母語とする学習者にとって, codesto はむしろ親しみやすい語かもしれません。日本語の「これ・それ・あれ」は, 話し手・聞き手・third の三つの距離をきれいに区別します。古いイタリア語の questo・codesto・quello は, これとぴったり同じ三角関係を持っていました。「それ(聞き手の近く)」にあたるのが codesto です。

ところが現代の標準イタリア語は, この三つを二つに圧縮してしまいました。「これ」は questo, 「あれ」は quello, そして「それ(聞き手の近く)」は…… 専用の語を失い, quello で代用したり, 名詞で言い直したりするようになったのです。だから日本人が「それ」を codesto で表そうとすると, かえって古風で不自然に響くことがあります。

codesto の使い方と変化
形容詞と代名詞

codesto は形容詞としても代名詞としても使えます。形容詞の変化は codesto(男性単数), codesta(女性単数), codesti(男性複数), codeste(女性複数)。questo と quello と同じパターンです。「Codesto libro」(あなたのその本)「Codesta lettera」(あなたのその手紙)「Codesti documenti」(あなたのそれらの書類)「Codeste idee」(あなたのそれらの考え)のように使います。古典文学では普通の形容詞のように現れます。

代名詞としても同じ変化形で使えます。「Codesto è il libro che cercavo.(あなたの手元のその本が探していたものだ)」「Codesta è la mia opinione.(あなたが聞いているそれが私の意見だ)」のように。19世紀の古典文学では「Date a me codesta lettera!(あなたが持っているその手紙を私に!)」のような表現が頻出します。現代の口語ではあまり聞きませんが, 古典を読むうえでは必須の知識です。

codesto の変化は, questo や quello を知っていれば難しくありません。語尾が -o / -a / -i / -e と変わり, かかる名詞の性と数に一致します。男性単数 codesto, 女性単数 codesta, 男性複数 codesti, 女性複数 codeste。規則的なので, 一度パターンをつかめば応用が利きます。

読解で大切なのは, codesto が出てきたら「聞き手・読み手の領域にあるもの」を指していると見抜くことです。手紙文なら「あなたが受け取ったその〜」, 会話なら「あなたの手元のその〜」。指し示す対象を正しく特定できれば, 古典や法律文の意味がぐっとクリアになります。

なお, codesto が指す「聞き手の近く」という距離感は, 日本語の「それ」とほぼ重なります。日本語では「これ・それ・あれ」を無意識に使い分けますが, その「それ」にあたる感覚を, 古いイタリア語は codesto という一語で持っていたわけです。日本語話者にとって, この対応関係は理解の大きな助けになります。

トスカナ方言での生命
codesto が今も生きる場所

codesto は現代でもトスカナ方言では普通に使われます。フィレンツェ, シエナ, ルッカ, アレッツォの市場や家庭の会話で「Codesto pomodoro è bello!(あなたのほうのこのトマト, きれい!)」「Dammi codesta forchetta.(あなたの近くのそのフォークを私にちょうだい)」のような表現が現役で生きています。「あなたの近くのそれ」を「lì」(そこ)と組み合わせる必要なく, codesto 一語で表現できます。

トスカナ以外の地域では消えていますが, トスカナの作家や映画監督が作品で再現することがあります。トスカナや南部を舞台にする作家たちは, 登場人物の方言を表すために codesto を使います。「«Prendi codesto pane, è ancora caldo!», disse la nonna.(「そのパンを取って、まだ温かいよ!」とおばあちゃんが言った)」のような会話文で頻出します。トスカナの文化と方言を尊重する作家にとって, codesto は地域のアイデンティティの一部です。

トスカナでの codesto は, 教科書の知識ではなく, 生きた日常語です。フィレンツェやシエナの市場で買い物をすると, 店主が「Codesto è buono!(あなたのほうのそれ, いいよ!)」と声をかけてくることがあります。標準語なら「quello lì」と二語で言うところを, codesto 一語ですませる軽やかさが, トスカナらしさです。

この地域差を知っておくと, トスカナを旅したときに耳が戸惑いません。「なぜ quello でも questo でもない語を使うのだろう」と思ったら, それが codesto です。聞いて意味が取れれば十分で, 自分で無理に使う必要はありません。土地の言葉の豊かさを味わう, よい手がかりになります。

まとめると, codesto を学ぶ目的は「使う」ためではなく「読む」ためです。聞き手の近くにある対象を指すこの古い指示詞は, 現代会話ではほぼ出てきません。けれど, 19世紀以前の文学, トスカナの方言, 役所の文書という三つの場面では, 今も現役です。これらを原文で読むとき, codesto の意味を正確につかめるかどうかが理解を左右します。

法律と官僚イタリア語での使い方
burocratese の独特な世界

イタリアの法律文書や行政書類では codesto が「あなたの機関に」「あなたのオフィスに」を表すために生き残っています。役所の手紙では「Vi prego di prendere visione di codesta nota.(あなたの機関のこの書類にお目通しください)」「Codesto ufficio è invitato a esaminare la pratica.(あなたのオフィスは案件を検討するようお招きする)」のような表現が頻出します。これは「burocratese」(官僚イタリア語)と呼ばれる独特の文体で, 19世紀から続く伝統です。

裁判所の判決書, 弁護士の手紙, 役所の通知でも codesto が頻出します。「Codesto Tribunale di Firenze…(フィレンツェのそのお手元の裁判所…)」「Vi inviamo copia di codesta sentenza.(あなたのところに送る, このコピーの判決書)」のような表現で, フォーマルさと敬意を強調します。普通のメールやビジネスメールでは使いませんが, 法律家やお役所と書類をやり取りする日本人にとっては, 一度は出会う表現です。

  • Si prega di restituire codesto modulo compilato entro il 30 aprile.
    こちらの用紙を記入のうえ4月30日までにご返却ください。
  • Vi ringraziamo per l’attenzione prestata a codesta richiesta.
    本要請にご注意をお寄せいただきありがとうございます。
  • Codesto ufficio è tenuto a rispondere entro venti giorni.
    当該の事務所は20日以内に回答する義務があります。

法律・行政の文体で codesto が生き残ったのには理由があります。役所が相手の機関を指すとき, 「あなたのその機関」という距離感を, よそよそしくも丁寧に表せるからです。codesto ufficio(貴官庁), codesto Tribunale(貴裁判所)という言い回しは, 形式的な敬意と距離を同時に伝えます。

日本人がイタリアで暮らすと, 滞在許可や納税の書類でこの codesto に出会うかもしれません。意味は「あなた(の機関)のその〜」。難しそうに見えても, 「聞き手の領域を指す古い指示詞」と知っていれば落ち着いて読めます。役所文書を読み解く力は, 実生活でそのまま役立ちます。

日常で使う10例文
文学・トスカナ・官僚

  • Mi prestate codesto libro che state leggendo?
    あなたが読んでるそのご本を貸してくれませんか?(文学的)
  • Codesta lettera che tieni in mano è importante.
    あなたが手にしているその手紙は大切だ。
  • Date a me codesto pane, prima che si raffreddi!
    そのパンを冷める前に私にちょうだい!(トスカナ)
  • Codesti documenti vanno firmati e restituiti.
    あなたのそれらの書類は署名のうえご返却ください。(官僚)
  • Codeste opinioni che esprimi sono ben fondate.
    あなたが述べているそれらの意見はしっかり根拠がある。
  • Vi prego di consultare codesta nota tecnica.
    このお手元の技術文書をご確認ください。
  • Codesto è il problema che dobbiamo affrontare.
    あなたが話しているその問題こそ私たちが取り組むべきだ。
  • Codesta è la nostra ultima proposta.
    あなたが受け取ったその提案が私たちの最後の提案だ。
  • Ti prego di non leggere codesto messaggio in pubblico.
    あなたが持っているそのメッセージを公の場で読まないで。
  • Codesto Tribunale ha emanato la sentenza il 10 marzo.
    当該裁判所は3月10日に判決を出しました。

上の10例文を, 場面ごとに整理して読み返すと, codesto の三つの顔が見えてきます。文学的な「あなたが手にするその〜」, トスカナ方言の「そのパンを取って」, 官僚的な「当該の書類」。同じ語が, 文脈によって古風にも素朴にも格式ばっても響くのが面白いところです。

例文を声に出して読むと, codesto の語感が体に入ってきます。とくに codesta / codesti / codeste の変化形は, かかる名詞の性と数を確認しながら読むと, 一致のルールが自然に身につきます。意味を取るだけでなく, 音とリズムで覚えるのが, 古い語に親しむコツです。

codesto の歴史的背景
古典イタリア語から現代まで

codesto はラテン語の「eccu istum」(その人)が縮約した語形と考えられています。中世フィレンツェの文学作品で頻繁に登場し、ルネサンス期のトスカナ方言の中で安定した地位を得ました。16世紀の歴史的・政治的な文章でも「codesto Principe」(あなたのところの君主)「codesta Repubblica」(あなたの共和国)のような表現で頻繁に使われました。三つの距離の指示詞の体系はイタリア語の論理的構造を支える美しい仕組みでした。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて, 標準イタリア語の規範が固まる過程で codesto は徐々に消えていきました。北部の話者は二極化した「questo / quello」だけを使うようになり, codesto は「不要な余分」として扱われるようになりました。19世紀に進んだ標準語の整備はトスカナ方言を土台にしましたが, 結果として codesto を含む豊かな三角関係は失われていきました。今でもトスカナ方言で生き残っているのは、地域のアイデンティティと文化への愛着の証です。

  • Un tempo si usava codesto per parlare direttamente col lettore.
    かつては読者に直接話しかけるのに codesto が使われた。
  • Nei trattati antichi: «Codesto Principe deve essere astuto».
    古い論文には「その君主は狡猾であるべきだ」とある。

codesto の衰退は, イタリア語の歴史そのものを映しています。地方ごとにばらばらだった言葉が, 一つの標準語へとまとまっていく過程で, 「便利だが必須ではない」三つ目の指示詞は, しだいに使われなくなりました。言語が単純化していく, 自然な流れの一例です。

けれども, 失われたものには独特の魅力があります。三つの距離をきれいに区別する codesto の体系は, 日本語の「これ・それ・あれ」と響き合う, 論理的で美しい仕組みでした。今は古典や方言の中にしか残っていませんが, だからこそ, それを知る学習者には特別な視点が開けます。

codesto が生き残った3つの世界
方言・古典・法律

codesto は現代の標準語からは姿を消しましたが, 三つの世界では今も息づいています。一つ目はトスカナの方言で, 市場や家庭の会話に生きています。二つ目は古典文学で, 19世紀以前の作品を読むと頻繁に出会います。三つ目は法律・行政の文体(burocratese)で, 裁判所や役所の書類に残っています。学習者がこの語に出会うのは, たいていこの三つのどれかです。

文学作品のなかには, 地域色を出すためにあえて codesto を使うものがあります。たとえば登場人物のセリフで「Codesta lettera… vediamo cosa dice.(その手紙… 何と書いてあるか見てみよう)」のように使い, トスカナらしさや古風な味わいを演出します。読書のときに意識して観察すると, 作者が方言や時代をどう表現しているかが見えてきて, 読みの楽しみが深まります。

歴史をたどると, codesto は「聞き手の近く」を表す便利な語でしたが, 標準語の単純化のなかで役目を終えました。とはいえ, トスカナ方言・古典文学・法律文書という三つの場所で, 今も確かに息づいています。消えたようでいて生きている。この二面性こそ, codesto という語のいちばんの魅力かもしれません。

日本人がつまずくポイント
三つの落とし穴

日本語話者が codesto でつまずく主な理由は三つです。一つ目は, 「これ・それ・あれ」を直訳して codesto を使うこと。現代会話では quello + lì や名詞で繰り返すほうが自然です。「あなたが持っているその本」は「il libro che hai in mano」または「quel libro lì」と表現するのが普通で、codesto は古風すぎます。二つ目は, codesto を日常会話で使うこと。トスカナ方言を除いて、現代の標準会話では出てきません。古典の翻訳, 法律文書, 古い手紙でしか役に立ちません。三つ目は, 変化形を間違えること。codesto, codesta, codesti, codeste の四つの形を所有される名詞に合わせます。

三つの落とし穴をまとめると, 「直訳しない・日常で使わない・変化形を間違えない」になります。とくに最初の二つが大切です。codesto は古典読解と法律文書のための知識と割り切り, 現代会話では quello + lì や名詞の繰り返しで「聞き手の近くのそれ」を表す。この線引きができれば, もう迷いません。

逆に言えば, codesto を「読んで理解できる」だけで, C1レベルの大きな武器になります。19世紀文学や行政文書を原文で読むとき, この語の意味を正確につかめるかどうかで, 理解の深さが変わります。使うためではなく, 読むための語として, しっかり押さえておきましょう。

Come parlano gli italiani
イタリア人はこう話す

では, 現代の標準イタリア語を話すイタリア人は, 「聞き手の近くにあるそれ」をどう表すのでしょうか。codesto を失ったぶん, 彼らは別の工夫をしています。いちばん多いのは, quello に「lì(そこ)」を添える形です。「Quel libro lì che hai in mano(あなたが手にしている, そこのその本)」のように, 距離を副詞で補います。

もう一つは, 名詞をそのまま繰り返したり, 関係代名詞で言い直したりする方法です。「la lettera che tieni tu(あなたが持っているその手紙)」のように, 「聞き手の近くにある」という関係を, 文の形で表します。codesto 一語ですんだことを, 現代では二語・三語で言う。これが標準語の選んだ道です。

だからこそ, トスカナの人が 聞き手の近く を指して codesto とさらりと言うと, 標準語の話者には少し新鮮に響きます。一語で距離を表せる経済性は, 失われた 聞き手の近く の指示詞ならではの魅力です。会話では quello lì を使いつつ, codesto の背景を知っていると, イタリア語の奥行きがより深く感じられます。

  • Quel libro lì che leggi è interessante?
    あなたが読んでいる, そこのその本は面白い?
  • La penna che hai tu, me la presti?
    あなたが持っているそのペン, 貸してくれる?

ここまでの内容を, 一文で言いかえてみましょう。「codesto =聞き手の近くにある『それ』を指す, 古くて美しい指示詞」。この一行を覚えておけば, 古典や法律文で codesto に出会っても, もう戸惑いません。日本語の「それ」と重ねて考えるのが, いちばんの近道です。

ルッカの古い書店で、ハルカがトスカナ出身の店主マッテオに、古典文学に出てくる codesto について質問しています。codesto の文学的・地域的な側面が出てくる場面です。

👱🏼‍♀️ Haruka: Matteo, sto leggendo un classico dell’Ottocento e ho trovato la parola codesto. Cosa significa?
マッテオ、19世紀の古典を読んでいて codesto という言葉を見つけた。どういう意味?

👨🏽‍🦱 Matteo: Significa “quello vicino a te”, “il tuo”. È un dimostrativo che indica la zona del tuo interlocutore.
「あなたの近くのそれ」「あなたの」を意味する。相手の領域を指す指示詞だよ。

👱🏼‍♀️ Haruka: Si usa ancora?
今でも使う?

👨🏽‍🦱 Matteo: Solo in Toscana e nel linguaggio burocratico. Per esempio nei documenti del Tribunale di Firenze.
トスカナと官僚言語だけ。例えばフィレンツェの裁判所の書類とか。

👱🏼‍♀️ Haruka: Allora in conversazione normale uso quello o questo?
じゃあ普通の会話では quello か questo を使う?

👨🏽‍🦱 Matteo: Esatto. Per oggetti vicini a te dici “questo” o nomini direttamente l’oggetto. Per oggetti vicini al tuo interlocutore, dici “quello” con “lì”.
その通り。自分の近くのものは「questo」または物の名前を直接言う。相手の近くのものは「quello」と「lì」を組み合わせるんだ。

👱🏼‍♀️ Haruka: Grazie. È bello sapere che codesto vive ancora nella tua regione.
ありがとう。codesto があなたの地域でまだ生きているなんて素敵。

🎯 ミニチャレンジ
mini sfida

🎯 ミニチャレンジ。かっこに codesto, codesta, codesti, codeste のどれかを入れてください。

  1. Vi prego di leggere ___ documento entro venerdì.
  2. ___ lettera che tieni in mano è importante.
  3. ___ documenti vanno firmati prima della scadenza.
  4. Esprimete chiaramente ___ opinioni nella riunione.
  5. Vi inviamo copia di ___ sentenza.
👉 答えを見る

1. codesto(男性単数 documento)
2. Codesta(女性単数 lettera)
3. Codesti(男性複数 documenti)
4. codeste(女性複数 opinioni)
5. codesta(女性単数 sentenza)

クイズ
quiz

理解できたか、クイズで確認しましょう。

(クイズ準備中)


よくある質問
Domande frequenti

codesto について、日本人学習者からよく寄せられる質問をまとめました。

codesto は今でも普通に使えますか?

標準の現代会話ではほぼ使われません。トスカナ方言(フィレンツェ、シエナ、ルッカ)では今も生きており、法律文書や行政書類では生き残っています。日常会話で使うと古風な印象を与えるので、トスカナ以外では避けるのが賢明です。古典文学の読解や法律文書の理解には知識として必要です。

代わりに何を使いますか?

相手の近くにある対象を指すには「quello + lì」(あれ・そこに)や、名詞で繰り返す方法が一般的です。「あなたの手元のその本」は「il libro che hai in mano」または「quel libro lì」と表現します。「あなたが言っているその件」は「la questione che dici」のように、関係代名詞を使うのが自然です。

トスカナでは本当に使われていますか?

はい、トスカナの市場、家庭、商店では今でも普通に聞かれます。「Codesto pomodoro è bello!」「Dammi codesta forchetta!」のような表現が日常です。トスカナを舞台にする文学作品でも、登場人物のセリフを通じて再現されます。

官僚イタリア語ではどんな表現がありますか?

「Vi prego di prendere visione di codesta nota」(このお手元の書類にお目通しください)「Codesto ufficio è tenuto a rispondere」(当該の事務所は回答の義務がある)「Vi inviamo copia di codesta sentenza」(このコピーの判決書をお送りします)のような表現が典型です。19世紀から続く burocratese と呼ばれる文体です。

questo, codesto, quello の三つは日本語と同じ?

はい、ほぼ完全に対応します。questo = これ(話し手の近く)、codesto = それ(聞き手の近く)、quello = あれ(両者から離れた)。これは日本語の三つの距離の指示詞と同じ概念です。古典イタリア語ではこの三角関係がはっきり保たれていましたが、現代では questo と quello に二極化しています。

試験(伊検準1級・1級)に出ますか?

はい、読解問題で出題されることがあります。とくに19世紀文学や法律文書の抜粋が出されたとき、codesto の意味を正確に理解できるかが問われます。日本語の「それ」とイタリア語の codesto の対応を理解しておけば、文中の指示対象を正確に把握できます。


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