イタリア語の直接補語人称代名詞

イタリア語の直接補語人称代名詞

イタリア語で “Ti amo” というフレーズを知っていますか?そう、ロマンチックな言葉”君を愛している”という意味です。このフレーズに使われている “ti”は”君を”という直接補語人称代名詞になります。今回は”~を”という動詞の直接目的語である補語人称代名詞についての文法ブログです。普段の会話でよく出てくるので何度も使って自然なイタリア語を話せるようになりましょう。


  単数 複数
一人称・単数 私を mi 私達を ci
二人称・単数 君を ti 君達を vi
三人称・単数
彼を lo 彼らを li
それを(男性名詞) lo それらを(男性名詞) li
彼女を la 彼女らを le
それを(女性名詞) la それらを(女性名詞) le

イタリア語の補語人称代名詞には2種類あります。1つは直接補語人称代名詞で「~を」という動詞の直接目的語にあたります。もう一つは間接補語人称代名詞といい「~に」という間接目的語にあたります。


直接補語人称代名詞( i pronomi diretti ) は「~を」という意味の代名詞です。つまり”誰を?(chi?)”または”何を?(cosa?)”という疑問文に対応する場合の直接目的語になります。そのため動詞は直接目的語を必要とする他動詞となります。
まずは例文を見てみましょう。

io → mi
tu → ti
lui → lo

lei → la
noi→ ci
voi → vi
loro(M)→ li
loro(F)→ le

 

  1. Lucia guarda (Io)  -> Lucia mi guarda.
  2. Stefano ammira tanto (tu) -> Stefano ti ammira tanto
  3. Carla compra (il pane) al mercato -> Carla lo compra al mercato
  4. Quando comprerai (la casa) ? -> Quando la comprerai?
  5. Laura ha invitato (noi) -> Laura ci ha invitato
  6. Aspetto (voi) domani -> Vi aspetto domani
  7. Ho visto Luca e Carlo -> Li ho visti
  8. Ho accompagnato Carla e Gloria -> Le ho accompagnate
※ loro(M)のM=maschile 彼らの/それらの の中に1つでも男性名詞が含まれている。
※ loro(F)のF=femminile 彼女らの/それらの は女性名詞から成る。

1.ルチアは私を見る。
2.ステーファノは君をとても称賛している。
3.カルラはそれ(パンのこと)を市場で買う。
4.君はいつそれ(家のこと)を買うの?
5.ラウラは私達を招待した。
6.明日君たちを待っているよ。
7.私は彼らを(ルーカとカルロ)見た。
8.私は彼女達を(カルラとグローリア)送った。

上記の例文を見て気づかれたと思います。直接補語人称代名詞は「人」だけでなく「物」も含まれているのです。
イタリア語の名詞には性や数があることを覚えていますか?よって三人称の直接補語人称代名詞 lo,la, li, le は必ずしも指している目的語が人とは限らないので注意してください。

例えば上記の例文3番目でCarla compra (il pane) al mercato -> Carla lo compra al mercato. とありますがこの置き換えられた直接補語人称代名詞の”lo”は”彼を”という人ではなく”il pane”という男性名詞・単数形の”パン”を指しています。

例文にもあるように直接補語人称代名詞は近過去の場合は助動詞のavereの前に置かれます。注意すべき点として近過去などと組み合わせて使う時、avere+の部分の過去分詞がlo,la,li,leといった三人称の直接補語人称代名詞の影響を受けるということです。
説明だと何となく難しく感じるかもしれませんので例文を見てみましょう。

  • Ho comprato i libri. 私は(複数の)本を購入した。→ (Io) Li ho comprati.
  • Ho accompagnato Carla e Gloria.  私はカルラとグローリアを送った。→ (Io) Le ho accompagnate.

 

※名詞の性と数についてはこちらのブログをご参照ください。

更に理解を深めるための例文を見てみましょう。

 

質問文

  1. Mangi il formaggio? 君はチーズを食べる?
  2. Mangi la frutta?  君はフルーツを食べる?
  3. Mangi le lasagne? 君はラザニアを食べる?
  4. Mangi i tortellini? 君はトルテッリーニを食べる?

 

 

直接法現在

  1. Sì, lo mangio はい、(それを)食べます。
  2. No, non la mangio いいえ、(それを)食べません。
  3. Non le mangio mai  いいえ、(それらを)全く食べません。
  4. Li mangio spesso はい、(それらを)よく食べます。

 

 

近過去

  1. Sì, l’ho mangiato  はい、(それを)食べました。
  2. No, non l’ho mangiata いいえ、(それを)食べませんでした。
  3. Non le ho mai mangiate いいえ、(それらを)食べたことがありません。
  4. Li ho mangiati spesso はい、(それらを)よく食べました。

 

近過去ではlo, la はそれぞれ lo ho+ , la ho+ となりますが、  l’ho+ , l’ho+ というように l’ を使った省略された形が一般的です。口に出して発音してみると  l’ho+ , l’hai+ , l’ha + の方が自然な音になります。

今回のトピックである直接補語人称代名詞「~を」と、「~に」という意味の間接補語人称代名詞のクイズブログもご覧ください。こちらからチェックできます。

シンプルながらも意外と使いこなすのに苦労する直接及び間接補語人称代名詞。ただ本当によく使うのでしっかりとマスターして自然なイタリア語を身につけましょう。
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    Mariko & Riccardo
    留学経験や豊富なイタリア語教授経験を活かし、小さなスクールならではのアットホームで個々のニーズに対応したサービス提供をモットーとする。 無類の猫好き、そして美味しいものが大好きでイタリアや日本の食文化をこよなく愛する。最近は食への探求心から家庭菜園でズッキーニやちょっと珍しいトマトを栽培中

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