品質形容詞 aggettivi qualificativi, つまり名詞の形状、色、性質、国籍などの性質や特徴を表す形容詞について学習しましょう。イタリア語の名詞には性と数があり、それを修飾する形容詞や補語として働く形容詞の語尾も変化します。
形容詞は名詞を修飾したり物事の性質や状態を表します。
イタリア語の名詞には性と数があり、それを修飾する形容詞や補語として働く形容詞の語尾も変化します。既に『イタリア語入門』シリーズで名詞の性と数について学習しましたのでまだ学習していないかたはこちらをチェックしてください。
★ 形容詞の語尾変化 ★
イタリア語の形容詞は修飾する名詞の性と数によって語尾変化します。辞書で形容詞の意味を調べるときには「男性名詞・単数形」を修飾した形の基本形で表記されています。形容詞は①語尾が -o ②語尾が -e ③語尾が -a の3つのカテゴリーに分類。これらの形容詞が修飾するものによってどのように変化するか学習しましょう。
-o | -e | -a | |
男性名詞・単数 | bello | grande | egoista |
男性名詞・複数 | belli | grandi | egoisti |
女性名詞・単数 | bella | grande | egoista |
女性名詞・複数 | belle | grandi | egoiste |
★語尾が -o の形容詞は修飾する名詞の性と数により変化( -o, -a, -i, -e):
- 男性名詞・単数を修飾; 語尾 -o
Antonio è bello. アントニオはかっこいい。
- 女性名詞・単数を修飾; 語尾が -a
Lucia è bella. ルチーアは美しい。
- 男性名詞・複数を修飾;語尾が -i
Antonio e Claudio sono belli.
アントニオとクラウディオはかっこいい。
- 女性名詞・複数を修飾; 語尾が -e
Lucia e Giorgia sono belle.
ルチーアとジョルジャは美しい。
★語尾が -e の形容詞は修飾する名詞の数により変化( -e,-i):
- 単数を修飾; 語尾は-e
- Dario è intelligente. ダリオは賢い
- Stefania è intelligente. ステファーニアは賢い
- 複数を修飾;語尾は-i
- Dario e Francesco sono intelligenti.
ダリオとフランチェスコは賢い. - Claudia e Marta sono intelligenti.
クラウディアとマルタは賢い )
※語尾が -e で終わる形容詞は修飾する名詞の性の区別はなく単数か複数かでのみ語尾変化する。その名詞が男性名詞が女性名詞かは名詞自体、または定冠詞によって見分ける。
★語尾が -a の形容詞は名詞の性と数により変化( -a, -i, -e)
- 単数を修飾:語尾は男性名詞でも女性名詞でも -a のまま。
- Mario è altruista. マリオは利他主義者
- Elisa è altruista. エリーザは利他主義者
- 男性名詞・複数を修飾:語尾は -i
Giulio e Luigi sono ottimisti.
ジューリオとルイジは楽観的だ。
- 女性名詞・複数を修飾:語尾は-e
Michela e Giorgia sono pessimiste.
ミケーラとジョルジャは悲観的だ。
※ 単数の場合は名詞の性に関係なく語尾は -a, 複数の場合は性と数により語尾が-i, -e
☆修飾する名詞の性と数によって形容詞の語尾がこのようなルールで変化します。少し変形に注意が必要なものとして下記のものがあげられます。
※ 語尾が –co や –goで終わるものの複数形が -chi, che または –ghi, -ghe
「古い、アンティークの」
- antico (m.) (s.)
- antichi (m.) (p.)
- antica (f.) (s.)
- antiche (f.) (p.)
「長い」
- lungo (m.) (s.)
- lunghi (m.) (p.)
- lunga (f.) (s.)
- lunghe (f.) (p.)
※ 語尾が –co や –goで終わるものの複数形が che または –ghe (女性名詞を修飾するもののみ変わった語尾変化)
「ギリシャの」
- greco (m.) (s.)
- greci (m.)(p.)
- greca (f.)(s.)
- greche (f.)(p.)
「感じの良い、好感のもてる」
- simpatico (m.) (s.)
- simpatici (m.)(p.)
- simpatica (f.)(s.)
- simpatiche (f.)(p.)
※ 語尾が –ioの形容詞で男性単数から男性複数に変化するときは –ii とはならず o を切り取るのみ。
- bancario (m.)(s.)
- bancari (m.)(p.)
- bancaria (f.)(s.)
- bancarie (f.)(p.)
☆修飾する名詞の性と数に関係なく常に変化をしない形容詞があります。例えば”ピンク色の”というイタリア語”rosa” がこのグループに属します。
例文)
- La macchina è rosa. その車はピンク色だ。
- I vestiti sono rosa. 洋服(複数)はピンク色です。
このグループに属するその他の形容詞;
- pari (等しい)
- impari (不平等な)
- dispari (奇数の)
- blu(青色の)
- lilla (薄紫色の)
- viola (紫色の)
☆男性名詞と女性名詞が混ざった場合の形容詞の語尾変化は男性名詞・複数形のものに準じます。
例)
Mike e Nancy sono americani. マイク(♂)とナンシー(♀)はアメリカ人です。
Nancy e Susan sono americane. ナンシー(♀)とスーザン(♀)はアメリカ人です。
★ 形容詞の用法 ★
形容詞の用法には大きく二つあります。一つは上記の例文のように叙述用法といって物事の状態、ありさまを述べる補語としての働きです。補語として働く形容詞とは例えば;
- Laura è simpatica. ←“ラウラは感じが良い”の『良い』は補語としての働き
もう一つは名詞を修飾する働きをする形容詞です。
- Laura è una ragazza simpatica. ←“ラウラは感じが良い女の子だ。” の『良い』は名詞を修飾
例)
- il gatto è nero. その猫は黒いです。←形容詞は補語としての働き
- il gatto nero 黒い猫 ←形容詞は名詞を修飾
イタリア語の場合、形容詞が名詞を修飾する場合は基本的に名詞の後に置かれます。例えば;
- un amico italiano イタリア人の友人(男)
- una ragazza gentile 親切な女の子
- i libri interessanti 興味深い本(複数)
- le case piccole 小さな家々
ただし buono(良い、美味しい), bello(美しい、素晴らしい), bravo(素晴らしい、優秀な)…などの形容詞が名詞を修飾する際には名詞の前に置かれることがあります。
☆bello(美しい、素晴らしい)とbuono(良い、美味しい)の特殊な語尾変化☆
bello も buono が名詞を修飾する際には名詞の前に置かれることが多いです。叙述用法としては他の形容詞と同じような語尾変化をしますが名詞を修飾する役割をする際には特別な変化をします。
共に男性名詞で1)ほとんど子音で始まる、2)母音で始まる、3)s+子音、z, gn, ps …で始まるもの、女性名詞で 1)子音で始まる 2)母音で始まるもので分類できます。
♦ bello(美しい、素晴らしい)は基本的に修飾する名詞の前に置かれ定冠詞型の変化をする
単数 | 複数 | |
男性名詞1) | bel giardino | bei giardini |
男性名詞2) | bell’esercizio | begli esercizi |
男性名詞3) | bello zaino | begli zaini |
女性名詞1) | bella città | belle città |
女性名詞2) | bell’amica * | belle amiche |
* 女性名詞の bell’ という言い方は絶対的ではないので bella amica という言い方をするのもよくある
♦ buono(良い、美味しい)は基本的に修飾する名詞の前に置かれ不定冠詞型の変化をする
単数 | 複数 | |
男性名詞1) | buon lavoro | buoni lavori |
男性名詞2) | buon esercizio | buoni esercizi |
男性名詞3) | buono stipendio | buoni stipendi |
女性名詞1) | buona vacanza | buone vacanze |
女性名詞2) | buon’amica * | buone amiche |
* 女性名詞の buon’ という言い方は絶対的ではないので buona amica という言い方をするのもよくある
イタリア語の形容詞と名詞のエクササイズクイズをお楽しみください。