イタリアのカレンダーをよく見ると何やら人名が・・・。多くのイタリア人には自分自身の誕生日の他に『自分の名前の誕生日』があり第二の誕生日として祝うことがあります。さてどういうことか。。。
イタリアのカレンダーを見ると何やら毎日人の名前が書かれています。最初は日本でいう「仏滅・大安・友引・・・」といった暦注なのかと思いましたが、実はこれらはキリスト教の聖人の名前なのです。聖人は殉教した人や何か奇跡を起こした実在した人物です。
少しずつ状況は変わっているとはいえイタリアはキリスト教・カトリックの国。親が子にその町の守護聖人や特別に思いのある聖人の名前をつけることは多いのです。また、地方によって《この名前が多い》という傾向があり例えば「サルバトーレ」という名前はシチリアや南部に多い男性の名前だと聞いたことがあります。
多くのイタリア人には自分自身の誕生日の他に『自分の名前の日(イタリア語ではonomastico)』なるものがあり第二の誕生日として祝うことがあります。
例えば8月4日に生まれたMarcoさんのお誕生日はもちろん8月4日ですが聖マルコの聖名祝日である4月25日にも「おめでとう~!」なんて声を掛けられたりします。ただ現在では聖名祝日にお祝いをするという習慣は北イタリアにいくほど薄れてきています。聖マルコはヴェネツィアの守護聖人としても有名です。
365日すべてに聖人の名前が割り当てられています。また1日に何人かの聖人がいることもあります。基本的にその日は聖人の命日であることが多いとのこと。
イタリアのカレンダーを見る機会がありましたら是非どんな聖人がいるのかチェックしてみてください。あなたの友人や聞いたことのある名前が見つかると思います。
例えばシチリアのシラクーサ(Siracusa)の守護聖人・聖ルチアは12月13日に亡くなったためこの日が聖ルチア(サンタルチア)の聖名祝日になりました。聖ルチアは視覚障害に苦しむ人々を守る聖女として知られています。今度イタリアの町を行くときにはその町の守護聖人がどの聖人で、どんな歴史があったのか下調べして訪れるとまた違った見方ができる旅を楽しむことができると思います。
死者を祭る日としてハロウィンが有名です。現在の日本のハロウィンは商業目的のパーティーとして拡散された一つの文化となっている感じがしますがもともとは古代ケルト民族が一年の最後の日に(11月1日が新年の始まりだった)悪霊を追い払い先祖の霊を迎え入れる儀式が起源といわれています。
カトリックと直接的な関係がないハロウィンはイタリアでは日本ほどこの文化が浸透していません。ただ近年ショーウィンドウでカボチャの飾りや子供たちが仮装する程度のイベントにはなっている印象を受けます。
この季節イタリアではハロウィンというより11月1日は祝日“ 諸聖人の日 Tutti i Santi ”となっておりカトリックの全ての聖人に対してお参りする日となっています。その翌日の11月2日は“ 死者の日 Commemorazione di tutti i fedeli defunti ”と呼ばれ全ての死者に対して先祖や亡くなった人たちの霊を祀る日になり日本でいえばお盆のようなものにあたります。
11月1日、2日はお墓参りに行かれる家族が多くなります。またこれらの祝日や各都市ごとに守護聖人の祝日には特別な儀式やお祭りがあります。教会ではミサが行われている時間帯があるので異文化や宗教への尊重を忘れず行動しましょう。
役立つ単語
- gennaio 1月
- febbraio 2月
- marzo 3月
- aprile 4月
- maggio 5月
- giugno 6月
- luglio 7月
- agosto 8月
- settembre 9月
- ottobre 10月
- novembre 11月
- dicembre 12月
★都市と聖名祝日★
- ローマ(Roma) 6/29 聖パオロと聖ピエトロ
- ミラノ(Milano) 12/7 聖アンブロージョ
- フィレンツェ (Firenze) 6/24 洗礼者聖ジョヴァンニ
- ヴェネツィア (Venezia) 4/25 聖マルコ
- ナポリ (Napoli) 9/19 聖ジェンナーロ
- レッチェ(Lecce) 8/26 聖オロンツォ
- シラクーサ (Siracusa) 12/13 聖ルチア
- パドヴァ (Padova)) 6/13 聖アントニオ
- ボローニャ (Bologna) 10/4 聖ペトローニオ
- パルマ (Parma) 1/13 聖イラリオ
- アレッツォ(Arezzo) 8/7 聖ドナート
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