グラッパはアルコール度37.5-60%のイタリアの蒸留酒で食後酒として親しまれています。特産地であるヴェネト州にバッサーノ・デル・グラッパにはグラッパ博物館がありその歴史についても触れることができます。
ヴェネト州の山麓にある Bassano del Grappa バッサーノ・デル・グラッパ。自然豊かで清らかなブレンタ川が流れるこの町は度重なる戦いに苦しみ立ち向かってきた歴史を持っています。
町の特産はグラッパ。グラッパはアルコール度37.5-60%のイタリア蒸留酒で食後酒として親しまれています。グラッパという名の由来はいくつかありその中でも有力なのがラテン語の‘葡萄の房 grappulus’(イタリア語では‘ grappolo d’uva ’)が語源だという説。もう一つは近くにあるグラッパ山の地名が由来という説。
グラッパはワイン製造過程でできる Vinaccieと呼ばれる“葡萄の搾りかす” が原料。葡萄からワインの原料となるモスト mosto と呼ばれる葡萄のしぼり汁、そしてグラッパの原料となるVinacce に分けられます。グラッパはこのVinaccie を発酵させたアルコールを蒸留してできるお酒。
“葡萄の搾りかす”というとなんだかあまり聞こえはよくありませんが品質の良いグラッパを作るには“葡萄の搾りかす”つまり Vinaccie の品質と鮮度が非常に重要。良質のVinacceに洗練された製造技術が加わり様々なグラッパを楽しむことができます。
ステンレス製貯蔵タンクで1年程ねかせた若いグラッパ la grappa giovane やオーク樽で熟成させた琥珀色のオールドグラッパ la grappa vecchia 、その他薬草やフルーツでアロマ付けされたグラッパ la grappa aromatizzata があります。
この町の歴史を見守り続けてきたアルピーニ橋の直ぐ近くに1898年創業の歴史を持つ POLI社グラッパ博物館 POLI Museo della grappa があります。ここでは蒸留器具と技術の歴史に触れることができます。
博物館奥にはグラッパを紹介するビデオコーナーが設けられ、8か国語のひとつがなんと日本語、嬉しいサプライズでした。博物館の方に聞いたところ日本人観光客はそんなに多くないとのこと。年間を通じて一番多いのがドイツ人の観光客だそうです。
最後にグラッパを鼻で楽しむコーナー。ここではボタンを押すと香りの蒸気が出てブルーベリーやラズベリー、ブラッドオレンジ、薬草など各グラッパの香りが楽しめるようになっています。
この博物館は無料で予約なしで入場可。小さな売店も併設されています。一方ガイドと試飲があるツアーは予約が必要。グラッパの歴史や製造技術に触れた後、好みのグラッパを特産地であるバッサーノ・デル・グラッパで探してみてはどうでしょうか。
※Poli社博物館内は念のため許可をいただいてから撮影しました。
役立つ単語帳
- distillare 蒸留する
- distillazione 蒸留
- vapore 蒸気
- qualità 品質
- ossidarsi 酸化する
- riscaldare 温める
- aromatico 香料の/芳香性の
- acqueo 水性の
- chilogrammo キログラム
- litro リットル
- imbottigliare 瓶詰にする
- miele ハチミツ
- erba officinale 薬草
- assaggiare 味見する
- premere 押す
- annusare 嗅ぐ
イタリアは世界遺産や芸術、音楽やサッカーなど魅力に溢れた国。そして食文化も私達を魅了し続けています。言葉が分かるともっとその国を知ることができます。
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