受動態 la forma passiva ~クイズ付~
受動態 forma passiva は動作を受ける対象物が主語となる受け身の形態です。一方能動態 forma attiva は文章の主語が動作主でもある形。今回の復習クイズ付ブログでは例文を見ながら受動態の作り方を学習しましょう。
◆ ESSEREを使った受動態 ◆
【ESSEREの活用形】 + 【過去分詞】 + 【 da 動作主】
※受動態を作るのは目的語を必要とする他動詞のみ。この他動詞を過去分詞にする
※過去分詞の語尾は主語の性と数に一致
※前置詞 da を使って『~によって』 動作主を示す。ただし動作主が不特定多数の場合は省略されることもある
- Francesco guida la macchina.
- La macchina è guidata da Francesco.
上記例文1)は能動態の文章。この能動態の文章を受け身にすると2)の受動態の文章になります。受動態、つまり受け身の文章は直接目的語を必要とする他動詞の場合のみ作ることができます。受動態の文では直接目的語(この場合は la macchina )が主語になり動作主 agente (この場合は Francesco )は前置詞 da の後に置かれます。
それでは動詞 『preparare ~を準備する』を使って様々な叙法で例文をみていきましょう。
Presente 直説法現在形
- La mamma prepara la colazione.
- La colazione è preparata dalla mamma.
Passato Prossimo 直説法近過去
- La mamma ha preparato la colazione.
- La colazione è stata preparata dalla mamma.
Congiuntivo presente 接続法現在
- Penso che la mamma prepari la colazione.
- Penso che la colazione sia preparata dalla mamma.
Congiuntivo trapassato 接続法大過去
- Credevo che la mamma avesse preparato la colazione.
- Credevo che la colazione fosse stata preparata dalla mamma.
Indicativo trapassato 直説法大過去
- La mamma aveva preparato la colazione.
- La colazione era stata preparata dalla mamma.
Indicativo futuro 直説法未来形
- La mamma preparerà la colazione.
- La colazione sarà preparata dalla mamma.
Condizionale composto 条件法過去
- Pensavo che la mamma avrebbe preparato la colazione.
- Pensavo che la colazione sarebbe stata preparata dalla mamma.
… 上記の例文を見てわかるように受動態を作るときには動詞 essere が使われ、全ての時制(単純時制、複合時制)と叙法(直説法、条件法、接続法…)で受動態をつくることができます。
◆ Con i verbi venire / andare ◆
essere の代わりに venire や andare の動詞を使うことができます。ただしこれらの受動態は半過去や現在形などの単純時制のみ作ることができ、近過去などの複合時制では作ることができません。
◇ VENIREを使った受動態 ◇
【VENIREの活用形】 + 【過去分詞】
※venire を用いて作ることができる受動態は単純時制のみ
※過去分詞の語尾は主語の性と数に一致
- Il museo è chiuso alle 19.
- Il museo viene chiuso alle 19.
venire は動きを示す動詞で『来る、(相手のところに)行く』という意味。単純時制では essere の代わりに venire を使って受動態を作ることができる。
- La colazione viene preparata dalla mamma.
上記” il museo”を使った例文。 essere を使った受動態では chiuso が状態を表す形容詞として使われているのか受動態の過去分詞として使われているのかはっきりしません。つまり『美術館は19時には閉まっている』という状態なのか『美術館は19時に閉められた』という受け身の文なのか曖昧です。一方 venire を使うと『(誰かによって)閉められた』という受け身の表現であることが明らかになります。
◇ ANDAREを使った受動態 ◇
【ANDAREの活用形】 + 【過去分詞】
※venire を用いた受動態同様単純時制のみ使え複合時制では使えない。
※過去分詞の語尾は主語の性と数に一致
※『~されるべきである』という意味
※【DOVEREの活用形】 + 【ESSERE】 + 【過去分詞】 + 【 da 動作主】に言い換えられる
- Le tasse devono essere pagate entro la fine di aprile.
- Le tasse vanno pagate entro la fine di aprile.
dovere 以外の補助動詞も同様に使うことができる。例えば “non + potere” は『~できない』という意味で下記の例文は
- Non si può usare il bagno durante le pulizie.
- Il bagno non va usato durante le pulizie.
◇ 受け身の”si” ~IL “SI” PASSIVANTE~ ◇
- All’università si studiano tante materie.
少しトリッキーな文型。受け身の”si” と非人称の”si” 。まず最初のこの例文は受け身の”si” 。『大学では多くの教科が学ばれる』という意味。他動詞が受け身の”si”を伴うことで表現され、直接目的語(この場合は tante materie )が受動態文章の主語となります。一方下記の”si” が使われている例文は…
- All’università si studia.
この例文で使われているのは非人称の”si” で『大学では人々は勉強する』という意味。先程の例文と大変よく似ていますが大きな違いは能動態の文章において直接目的語があるかないかです。今回の例でいうと最初の例文には”tante materie”がありますが二つ目の例文にはありません。このように直接目的語を必要としない他動詞や自動詞と”si”が組み合わさって非人称の”人々は/私達は”といった一般的な人や不特定の人が主語となっています。非人称の”si”の構文では三人称・単数で表現されますが最初の例文の受け身の”si”では三人称単数及び複数(今回の例文では”si studiano” = loro)で表現できます。.
フォトクレジット: Antonello da Messina, Ritratto di uomo (1475)