イタリア人が好きなこと-#2-La Gazzetta dello Sport
イタリア人はスポーツが大好き! スポーツが大好きといっても実際にスポーツをしているわけではない。そう、スポーツの話をするのが大好きなのです。
プロサッカーのイタリア・セリエAには監督が6千万人いると例えられるくらい誰もが監督気取りでピンクのスポーツ紙 ” La Gazzetta dello Sport” を片手に勝利戦略を語るのです。
ピンク色は女っぽい又は子供っぽいイメージがあります。しかし少なくともイタリアではそうではありません。イタリア人はピンク色の紙に印刷された “La Gazzetta dello Sport(ラ・ガゼッタ・デッロ・スポルト)” という日刊スポーツ紙を読むのが大好きなのです。
ラテンラバーとして世界に名を馳せるイタリア人達はバールや広場で熱く、そして時には声を荒げて”calcio”すなわちイタリアのサッカーについて語るのが大好きなのです。あなたもイタリアでこんなイタリア人達の姿を見たことがあるのではないでしょうか。
『イタリアには6千万人のサッカーチーム監督がいる』という表現があるくらい各自がサッカーに熱い自論を持っています。皆、監督気分で前日行われたセリエAの試合に何故チームが負けたのかを語りますが、その素晴らしい戦略論は”La Gazzetta dello Sport” が発行されてから。
イタリア人のバイブル的存在のこのスポーツ紙は現代オリンピックがギリシャ・アテネで最初に開催された1896年にイタリア・ミラノで誕生し、その後毎日発行されています。
では何故このスポーツ紙はピンク色なのでしょうか?色んな説がありますが真相は謎に包まれています。最も有力な説はイタリア人にとってはあまり受け入れたくないもので、お隣の国・フランスの考えを真似たのが始まりのようです。
“La Gazzetta dello Sport”は最初からピンク色ではありませんでした。当初は白、または薄い緑色でした。それが1899年のある時フランスのスポーツ紙 “ Juornal de Sport“からヒントを得たこのスポーツ紙はピンク色で発行されました。これが大ヒット! 瞬く間にイタリア人の心を鷲掴みにしました。たとえこの愛らしいピンク色がイタリア人のラテンラバーとしてのチョイ悪度や男らしさを危うい地位に陥れようが不動のものになりました。
そして “La Gazzetta dello Sport” は1908年Giro d’Italia(ジーロ・ディタリア)のスポンサーになりました。Giro d’Italiaはフランスの The Tour the France と並ぶ自転車プロロードレースで毎年5月にイタリア国内で開催されるものです。
Giro d’Italiaではランキング1位の選手は栄光あるピンクのユニホーム、その名も”maglia rosa(マリア・ローザ)”を身に纏いレースに参加します。そう、”La Gazzetta dello Sport”と同じあのピンク色で!
ピンクという想定外の色を選択したことはポップカルチャーに大きなインパクトを与えました。独裁者ムッソリーニ政権時は一時このピンク色での発行を禁止されましたがこの色に対するイタリア人の特別な想いはムッソリーニ政権崩壊後また復活することになったのでした。
カップチーノから始まる朝からアペリティーボの夜までイタリア人は”サッカー”ではなく”サッカーについて語る”ことが大好きでたまらないのです。もちろんその片手にはしっかりと彼らのバイブル”La Gazzetta dello Sport”がしっかり握られています。
Riccardo Cristiani
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