イタリアには色々な種類のパスタが存在します。スパゲッティのように長細いものからペンネのような尖ったショートパスタ、そしてスープに入れる細かいパスタなど色々あります。今回はヴェネト州の美味しいパスタを紹介
Bigoli(ビーゴリ)とはヴェネト州の伝統的な太めのスパゲッティのことをいいます。直径は2~3mmで長さは25~30㎝ほどあるパスタです。直径が大きく太めですがブカティーニ(bucatini)とは異なりスパゲッティの中心に穴がありません。
オリジナルレシピの材料は実にシンプルで小麦粉、水、塩です。その他の材料として卵を追加するものや小麦粉の代わりにそば粉を加えるレシピもあります。食感はポキポキした感じでフォークに巻きつけて食べるのは少し難しいです。
ビーゴリの特徴は太いパスタの表面がザラザラして粗いこと。この粗めの表面のおかげでパスタソースをよく絡ませることができます。
伝統的につくるビーゴリはtorchio(トルキオ)という特別な器具を使って作られます。Torchioとは“圧縮”という意味でありその名のとおり練ったパスタをこのトルキオの器具に入れネジをグルグル回して圧力を掛けて押し出します。押し出して出てくるという感じでは心太が思い浮かびますがビーゴリを押し出すには器具についているハンドルを回します。これがかなり力を要します。そのためお祭りや催し物の時にはパフォーマンスも含め力自慢の男性や時に山岳部隊( Alpini アルピーニ )の人達がこのトルキオを使って作りたてのビーゴリを提供してくれます。
さすがに今では家庭でこのトルキオを使って生ビーゴリを作るところは少ないですがヴェネト州のスーパーでは簡単に手に入るのでご家庭でも簡単に楽しめます。 生パスタはさすがにイタリアから持ち帰りはできませんが乾燥ビーゴリもあるのでこの味が忘れられない人やヴェネト州のお土産として食料品店やサービスエリアなどでチェックしてください。またレストランやオステリアでもビーゴリはあるのでこの地に足を運んだら郷土料理であるビーゴリを食すのをお勧めします。
パスタの形状によって絡めるソースを使い分けますがビーゴリはどんなソースで食べるのでしょうか。ヴェネト州の伝統的なソースを使った料理はカモのラグーを使ったbigoli con l’anatra(ヴェネト方言ではbigołi co’ l’arna ) とイワシと玉ねぎを使った bigoli con le sarde があります。ラグーはカモ肉以外に豚肉やウサギの肉、イノシシの肉などがあり、注文するときはどのお肉を使っているのか聞いた方がいいでしょう。
イタリアでは特産物や収穫物を祝ったお祭りが盛んでヴェネト州ではもちろんこのビーゴリ祭が各地で開催されます。 若いカモ(生後60~90日)の内蔵とバターを使った伝統的レシピのカモのラグーbigoli con l’anatraはヴィツェンツァのもので毎年10月ヴィツェンツァ県のZanèという町でお祭りがあります。他にもヴェネト州パドヴァ県のRovolonや温泉地として有名なAbanoTermeなど町で開催されています。 もしかしたら偶然にも訪れた町で楽しいお祭りに出会えるかもしれません。
またビーゴリの麺は普通のスーパーでも簡単に手に入ります。その他テイクアウトしたり簡単なイートスペースで提供するカジュアルなお店もあるので普段も気軽に味わうことができます。
役立つ単語
- 小麦粉 farina
- 水 acqua
- 塩 sale
- カモ anatra
- 豚 maiale
- ウサギ coniglio
- イノシシ cinghiale
- 収穫祭、祭 sagra
- 伝統的な tradizionale
- 方言 dialetto
- 生の fresco / crudo
- 乾燥させた secco
- 穴 buco
- 直径 diametro
お家で自家製ラグーで美味しいパスタを食べよう!このブログでレシピを日本語&イタリア語で紹介しています。
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