バーチ・チョコレート-Baci al cioccolato

イタリアの有名チョコレートの1つ,Baciチョコレート。このバーチ baciという名前の意味を知っていますか?イタリアのみならず世界中から愛される美味しくロマンチックなBaciチョコレートの誕生秘話とは・・・


cuore-di-Baci

バーチ・チョコレート。日本でも輸入食品を扱っているお店では見かけることもあるイタリアの中部ウンブリア州の町・ペルージャにあるPerugina社(ペルジーナ社・1907年創業)のチョコレート。 現在はこのペルジーナ社はスイスに本部をおくネスレ社の傘下に置かれています。

よく知られたスタンダードのBaciチョコレートは青色の箱や青い陶器に入ったちょっと歪な形のチョコで、バレンタインやクリスマスなどイベントがあるときはいつも以上にスペシャルなパッケージに包まれてバールやスーパーで売っています。

チョコとヘーゼルナッツ(イタリア語ではnocciolaといいます)の組み合わせが絶妙でついつい一つ、二つと食べ続けてしまう代物です。Baciチョコレートはチョコレート毎に「cartiglio カルティッリオ」と呼ばれる愛にまつわる格言やことわざがイタリア語・英語・スペイン語などの言語で書かれている紙(= bigliettino)が入っておりBaci(キス)という名前通りロマンチックな気分になれる特別なチョコレートです。ではこのBaciチョコレートは一体いつ、誰によって作られたのでしょうか?

Baciチョコレートは1922年Luisa Spagnoli(ルイーザ・スパニョーリ)という女性実業家のアイデアから生まれました。Baciチョコレートの誕生は偶然によるもの。もともと他のチョコレート菓子を製造する際に破棄されたヘーゼルナッツがもったいないということで再利用しようと彼女は考えました。

再利用されたヘーゼルナッツが入ったチョコレートはまるでゲンコツのような形をしていたころからこの偶然誕生したチョコレートは“cazzotto(ゲンコツ)”と呼ばれました。しかしルイーザの友人女性がチョコレートの名前がゲンコツではあまりに味気ないということで”Baci(キス)“という名前に変更するよう薦めたのでした。Baci(キス)という大胆ながらロマンチックな名前を付けたのはさすがイタリア人といったところですね❤


Baci-bianco
スタンダードBaci-星

販売戦略も成功し1950年代には“Ovunque c’è amore c’è un Bacio Perugina(愛のあるところにはペルジーナのバーチチョコレートがある”という宣伝文句は言葉だけで愛を語るのではなくBaciチョコレートをプレゼントすることにでより効果的な愛情を表現できると人々に思わせました。

スタンダードなBaciチョコレートは銀色の包み紙に青いが散りばめられており中にはヘーゼルナッツが丸ごとひとつとジャンドゥーヤが入ったダークチョコレートが現れます。このスタンダードなBaciチョコレートを一回り小さくしたのがBacetti(bacetti は小さなキスという意味です)。小さいながらもBacetti専用のメッセージ紙が入っており詩を読んでロマンチックな気分に浸れる醍醐味は失われていません。

そしてスタンダードBaciチョコレートの中身はそのままでバニラ風味のホワイトチョコレートに包まれた“Baci bianco バーチ・ビアンコ”という種類もあります。まるで白い雪に包まれたかのようなBaci ビアンコはBaci ビアンコの包み紙は青色で白い☆が輝いています。

昨年の2012年にはBaciチョコレートは90周年を迎え様々な記念商品が販売されました。Baciチョコレートの包装紙(incarto)やメッセージも発売当初のものを再現し当時のデザインのカレンダーとのセットやメッセージ紙に綴られた詩集本セットなどが発売されました。

2022年は100周年、更にバージョンアップしたBaciチョコレート商品が期待できそうです。


更新情報

2018年はBaci Rosa というルビーチョコレートを使った新たな味のBaci 。優しいピンク色の愛らしいこのBaciは少しばかり甘酸っぱくちょうど良い甘さのスペシャルなBaci。Baci Rosaを見かけたら是非ともお試しください。2018年はBaci のチョコレートメーカーであるPerugina(ペルジーナ)社だけでなく他のメーカーからもルビーチョコレートを使った商品が発売されていました。今度はどのような味や色が発売されるのか楽しみです。

このブログ以外にチョコレートにまつわる役立つイタリア語を紹介している投稿があります。こちらをご参照ください。

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    フォトクレジット Leopoldo Metlicovitz – Sogno d’un valzer – 1907

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    Mariko & Riccardo
    留学経験や豊富なイタリア語教授経験を活かし、小さなスクールならではのアットホームで個々のニーズに対応したサービス提供をモットーとする。 無類の猫好き、そして美味しいものが大好きでイタリアや日本の食文化をこよなく愛する。最近は食への探求心から家庭菜園でズッキーニやちょっと珍しいトマトを栽培中

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