イタリア語の語句の中にはその言葉を2回繰り返すことにより違う意味を成すものがあります。例えば 副詞の”ancora “は“もう一度/まだ”という意味ですが2回繰り返すことにより異なった意味を持つようになります。
♦ ancora ancora ♦
副詞の ancora には様々な意味があることを以前紹介しました。 “もう一度”, “まだ” , “更に”, “もっと”などの意味があり文章によってニュアンスが異なります。
単語だけでも様々な意味をもつ “ancora” , 繰り返し2語から成る ancora ancora には更に異なる意味があります。
“ancora ancora” の意味は受け入れ難い何かと比べて、あるいは劣等な何かと比べ”まだ選択肢としてあり” “まだマシ”といった意味の時に使います。
- Gioco malissimo a calcio, ma a pallavolo ancora ancora me la cavo.
(私は)サッカーは全然だめだけれどもバレーボールはなんとかできる。
- Sono vegetariano e non mi piace la carne. Le uova ancora ancora.
私はベジタリアンなので肉は好きではない。でも卵はまだ選択肢としてありだね。
- Ci sono troppi turisti a Venezia in Agosto. A Verona ancora ancora si riesce a camminare.
8月のヴェネツィアは観光客で溢れかえっているがヴェローナはまだなんとか散策することができる。
♦ quasi quasi ♦
” quasi ” の意味は”ほとんど”。
例えば ” Ho quasi finito.” の意味は “(私は)ほとんど終えた” となります。一方, 繰り返し2語から成る “quasi quasi ” も先程の ancora と同じく異なる意味になります。”quasi quasi” の意味は “よほど…しようかと思う/ …してしまおうかな”
- Oggi fa bel tempo, quasi quasi vado al mare.
今日は良い天気だから海に行こうかなぁ。 - Ho un po’ di febbre. Quasi quasi non vado in ufficio.
私は熱がある。会社に行くのはやめてしようかと思う。 - Si è fatto tardi, quasi quasi è meglio tornare a casa.
すっかり遅くなってしまった・・・そろそろおいとまします。
♦ giusto giusto♦
次に紹介する単語は”giusto”、単語としての意味は”正しい/ちょうど良い”。これが繰り返し2語を成すことで”giusto giusto”となり意味は1単語のみの時より精密さが増した”完璧な/正に適切な”という意味になります。
- Queste scarpe mi vanno giuste giuste.
この靴は私にピッタリだ。 - Laura è giusta giusta per Federico.
ラウラはフェデリコにとてもお似合いだ。 - Oggi è una giornata giusta giusta per correre al parco.
今日は公園をジョギングするのに完璧だ。
♦ piano piano♦
次の単語は音楽絡み。もしあなたがピアノなどの楽器を弾いたことがあるならおそらくピアノはイタリアが発明した楽器だというのをご存知なのではないでしょうか。ピアノをイタリア語でいうと pianoforte, この単語は”ゆっくり&早く” (又は “弱く&強く”)を合わせたもの。
“piano” は副詞で”ゆっくり”という意味。例えば” Corro piano.” の意味は “私はゆっくり走る。” piano piano ” と繰り返すことにより”非常にゆっくりと/慎重に/少しずつ”という意味にになります。
語学を学習しているとどうしても思うように覚えられなかったり話せなかったりします。そんな時先生がはきっとこんなアドバイスをくれるでしょう…『Non ti preoccupare, piano piano. 心配しなくて大丈夫、少しずつでいいんだよ』。
- Se parli l’inglese piano piano, ti capisco.
(君が)とてもゆっくり英語を話してくれたらわかります。 - Mia nonna ha 90 anni, ma piano piano va in paese a piedi a fare la spesa.
私の祖母は90歳だが徒歩でゆっくりと町へ買い物へ行く。 - Piano piano, studiando molto, ho imparato lo spagnolo.
一生懸命少しずつ勉強して私はスペイン語を習得した。
♦ zitto zitto♦
最後に紹介する単語は“zitto” , 意味は”黙っている/口を利かない”。”stare zitto (or zitta)” という熟語は”静かにする/黙っている”。
2回繰り返す “zitto zitto” 、これはある人が誰にも言わず”内密に””こっそり” 何かをする時に使います。そして通常この語句は文章の初めに置かれます。
- Zitto zitto, Michele ha comprato la casa al mare.
ミケーレは内密に海岸沿いに家を買った。 - Zitta zitta, Laura ha lavorato molto ed è stata promossa.
ラウラはこっそり沢山働いて昇進した。 - Zitti zitti, i tuoi amici hanno organizzato una festa a sorpresa.
君の友人たちは内緒でサプライズパーティーを企画した。
今回のブログ”ancora ancora”, “giusto giusto” など2回繰り返すと異なる意味を成す単語。単語自体は知っていても繰り返すことによりまた違ったニュアンスを持ちます。
聞いて、話して・・・もっと会話が楽しくなるイタリア語を楽しんでもらえたらと思います。経験豊かなネイティブ講師による無料トライアルレッスンは下記のフォームから予約できます。イタリア語はまだ初めてという方も日本語スタッフによるサポートがあるのでどうぞお気軽にいらしてください。
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