イタリア語 動詞の接尾辞 完全ガイド|-eggiare と -icchiare 5種

イタリア語の動詞には、接尾辞で意味を作ったり変えたりする仕組みがあります。-eggiare は名詞や形容詞から動詞を作る派生接尾辞で、festa → festeggiare(祝う)のように。一方 -icchiare・-acchiare・-ucchiare変意の接尾辞で、「ちょっと〜する」「断続的に〜する」という弱めたニュアンスを加えます。cantare → canticchiare(鼻歌を歌う)が典型です。動詞の派生と変意の接尾辞を、Treccani の分類に沿って例文つきで整理していきます。

Derivazione e alterazione
動詞の接尾辞とは:派生と変意

イタリア語の動詞をめぐる接尾辞には、大きく二つの働きがあります。一つは派生で、名詞や形容詞から新しい動詞を作り出すもの。代表が -eggiarefesta → festeggiare=祝う)です。もう一つは変意(alterazione)で、すでにある動詞に「弱め」「断続」「軽い軽蔑」などのニュアンスを加えるもの。-icchiare などがこれにあたります。

Treccani は「変意動詞は、名詞や形容詞の変意とは違う、動詞専用の接尾辞で作られる」と説明し、その効果を「弱め(attenuativo)」「やや軽蔑(peggiorativo)」「断続(intermittenza)」などに分類しています。これらの接尾辞を知っていると、辞書になくても語の意味が推測でき、読解力が一段上がります。上級者にとって、語のしくみを見抜く強力な道具になります。

  • cantare → canticchiare
    歌う → 鼻歌を歌う(弱め)
  • festa → festeggiare
    祭り → 祝う(派生)
  • vivere → vivacchiare
    生きる → かろうじて暮らす(軽蔑)

-eggiare
-eggiare:名詞・形容詞から動詞を作る

-eggiare は、名詞や形容詞に付いて動詞を作る派生接尾辞です。「festa(祭り)→ festeggiare(祝う)」「parco(駐車場・公園)→ parcheggiare(駐車する)」「lampo(稲妻)→ lampeggiare(光る・点滅する)」のように、日常でよく使う動詞がこの形で生まれています。「〜のような状態である」「〜を行う」という意味になることが多いです。

形容詞から作る場合は、「その色・性質を帯びる」という意味になります。「verde(緑)→ verdeggiare(青々と茂る)」「bianco(白)→ biancheggiare(白く見える)」のように。文学的な描写でよく使われ、風景に色彩を与えます。-eggiare は変意ではなく派生なので、元の語とは別の独立した動詞として辞書に載っています。とても生産的な接尾辞で、新しい語も作られ続けています。

-eggiare で作られた動詞は、ほとんどが第一活用(-are 動詞)として規則的に活用します。「festeggio, festeggi, festeggia…」のように。元の名詞・形容詞を知っていれば意味も覚えやすいので、語彙を効率よく増やせます。たとえば scherzo(冗談)→ scherzare ではなく、onda(波)→ ondeggiare(揺れる)、fiamma(炎)→ fiammeggiare(燃え立つ)のように、イメージと結びつけて覚えると定着します。

  • Festeggiamo il tuo compleanno!
    君の誕生日を祝おう!
  • Ho parcheggiato la macchina qui.
    ここに車を駐車した。
  • I campi verdeggiano in primavera.
    春には野原が青々と茂る。

-icchiare, -ucchiare
-icchiare・-ucchiare:ちょっと〜する

-icchiare・-acchiare・-ucchiare は、動詞に「弱める・断続的にする」というニュアンスを加える変意接尾辞です。Treccani は「断続、継続のなさ、または弱い強度を表し、否定的な色合いを伴うことがある」と説明します。「cantare(歌う)→ canticchiare(鼻歌を歌う、小声で歌う)」「mangiare(食べる)→ mangiucchiare(ちょこちょこつまむ)」「dormire(眠る)→ dormicchiare(うとうとする)」のように。

「本気ではなく、軽く・なんとなく・とぎれとぎれに」という感じが共通しています。「leggere(読む)→ leggiucchiare(拾い読みする、ざっと読む)」「vivere(生きる)→ vivacchiare(その日暮らしをする)」のように、やや軽蔑的・自嘲的なニュアンスが出ることもあります。これらは辞書に独立した語として載っていますが、元の動詞+接尾辞の関係を知っていると、意味がすぐにつかめます。

日本語にも「食べる→つまむ」「読む→ななめ読みする」のように、行為を弱めて言う表現がありますが、イタリア語はそれを接尾辞ひとつで作れるのが特徴です。-icchiare の前で元の動詞の語幹が少し変わることもあります(mangiare → mangiucchiare、leggere → leggiucchiare)。形を丸暗記するより、「元の動詞+弱めのニュアンス」と分解して捉えると、初めて見る変意動詞でも意味が読み取れます。

  • Canticchiava una canzone sotto la doccia.
    シャワーを浴びながら鼻歌を歌っていた。
  • Ho solo mangiucchiato qualcosa.
    ちょっとつまんだだけだ。
  • Di domenica mi piace leggiucchiare il giornale.
    日曜は新聞を拾い読みするのが好きだ。

-ettare, -ottare
-ettare・-ottare:軽く〜する

-ettare-ottare も、動詞を「軽く・控えめに」する変意接尾辞です。Treccani は「弱め(attenuazione)」を表すと分類しています。「fischiare(口笛を吹く)→ fischiettare(軽く口笛を吹く)」「parlare(話す)→ parlottare(ひそひそ話す、ぼそぼそ話す)」のように。動作が「小規模に、さりげなく」行われる様子を表します。

fischiettare は、上機嫌で何気なく口笛を吹くような、リラックスした雰囲気を伝えます。parlottare は、小声でこそこそ話す、内緒話のニュアンス。これらの接尾辞は、動作の「軽さ・控えめさ」を一語で表現できる、繊細な道具です。小説の描写や日常会話で出会ったとき、元の動詞を思い浮かべると、ニュアンスまで正確に読み取れます。

-ettare と -icchiare は意味が近いですが、-ettare のほうが「軽やか・愛らしい」、-icchiare のほうが「いいかげん・中途半端」という色合いが出やすいです。fischiettare(軽く口笛)は明るく、leggiucchiare(拾い読み)はやや怠惰。同じ「弱め」でも、接尾辞によってニュアンスの方向が微妙に違うのが面白いところです。

  • Fischiettava felice mentre cucinava.
    料理しながら上機嫌で口笛を吹いていた。
  • I due parlottavano in un angolo.
    二人は隅でひそひそ話していた。

-ellare, -erellare
-ellare・-erellare:断続的に

-ellare・-erellare・-arellare は、動作の「断続・軽さ・気まぐれさ」を表す変意接尾辞です。「saltare(跳ぶ)→ saltellare(ぴょんぴょん跳ねる)」「giocare(遊ぶ)→ giocherellare(手なぐさみする、いじって遊ぶ)」のように。一回きりではなく、軽く何度も、または気まぐれに繰り返す動作を描きます。

giocherellare は、ペンや髪の毛を無意識にいじるような、ちょっとした手遊びを表す便利な語です。saltellare は、子どもやウサギが軽やかに跳ねる様子。これらの接尾辞は、動作に「軽やかさ」と「反復」のリズムを与えます。文学では、登場人物のしぐさを生き生きと描くのに重宝します。変意接尾辞を知っていると、こうした細やかな描写も正確に味わえるようになります。

まとめると、動詞の接尾辞は「派生(-eggiare)で新しい動詞を作る」か、「変意(-icchiare 系)でニュアンスを足す」かの二本柱です。どちらも、元の語との関係を見抜けば意味が推測でき、語彙力と読解力が同時に伸びます。すべてを暗記する必要はなく、代表的な例から少しずつ親しんでいけば十分です。

  • Il bambino saltellava di gioia.
    子どもは喜んでぴょんぴょん跳ねていた。
  • Giocherellava con una penna mentre pensava.
    考えながらペンをいじっていた。

Dove sbagliano i giapponesi
日本人がつまずくポイント

まず注意したいのは、-eggiare(派生)と -icchiare(変意)を混同することです。-eggiare は名詞・形容詞から新しい動詞を作るもの(festa → festeggiare)、-icchiare はすでにある動詞にニュアンスを加えるもの(cantare → canticchiare)。前者は「別の意味の動詞」、後者は「同じ動詞の弱めた版」と整理すると混乱しません。

もう一つは、これらの接尾辞を自分で勝手に作って使うことです。変意動詞はどれも辞書に載っている既成の語で、好きな動詞に -icchiare を付ければ通じるわけではありません。canticchiare や dormicchiare は定着していますが、存在しない形を作ると不自然です。上級者はまず「読んで理解する」用法として押さえ、自分で使うときは辞書で確認した語にとどめましょう。

  • festicchiare(勝手な造語)→ ✅ 辞書にある festeggiare
    接尾辞は自作しない
  • 派生 -eggiare(新動詞)/変意 -icchiare(弱め)を区別

Come parlano gli italiani
イタリア人はこう話す

イタリア人は会話で変意動詞を、軽い・自嘲的なニュアンスでよく使います。「Cosa hai fatto oggi?(今日何した?)」に「Niente, ho leggiucchiato e dormicchiato.(何も、ちょっと本読んで、うとうとしてた)」と答えれば、「のんびりだらだら過ごした」という雰囲気が一語で伝わります。-icchiare 系は「本気じゃない、ゆるい感じ」を出すのにぴったりです。

-eggiare の動詞は、もはや変意とは意識されず、ふつうの動詞として日常に溶け込んでいます。festeggiare(祝う)、parcheggiare(駐車する)、viaggiare(旅する)など、毎日使う基本動詞です。一方、-icchiare 系は「ニュアンスを足す上級者の語彙」。聞いて理解でき、ここぞという場面でさらりと使えると、こなれたイタリア語の印象を与えられます。

  • Stamattina ho oziato e canticchiato.
    今朝はぐうたらして鼻歌を歌ってた。
  • Festeggiamo, te lo meriti!
    お祝いしよう、君にはその価値がある!

留学生のケンジが、友人のジュリアと月曜の朝、週末の過ごし方について話しています。変意動詞がたくさん出てくる場面です。

👨🏻‍🦰 Kenji: Com’è andato il weekend?
週末はどうだった?

👩🏻‍🦱 Giulia: Tranquillo. Ho leggiucchiato un romanzo e dormicchiato sul divano.
のんびりよ。小説をちょっと読んで、ソファでうとうとしてた。

👨🏻‍🦰 Kenji: Beata te! Io ho dovuto pulire e poi festeggiare il compleanno di mia zia.
いいなあ!僕は掃除して、それから叔母の誕生日を祝わなきゃだった。

👩🏻‍🦱 Giulia: Almeno avrai mangiato bene. Io ho solo mangiucchiato.
少なくともおいしいもの食べたでしょ。私はちょこっとつまんだだけ。

👨🏻‍🦰 Kenji: Sì! E la nonna canticchiava le vecchie canzoni. Che bello.
うん!おばあちゃんが昔の歌を口ずさんでてさ。よかったよ。

🎯 Mini-sfida
🎯 ミニチャレンジ Mini-sfida

次の5問、動詞の接尾辞を理解できますか?派生か変意か、意味のニュアンスに注意して挑戦してみてください。答えは下のトグルで確認できます。

  1. cantare に「鼻歌を歌う」のニュアンス:cant___
  2. festa から「祝う」という動詞:fest___
  3. dormire に「うとうとする」:dorm___
  4. leggere に「拾い読みする」:legg___
  5. -eggiare と -icchiare、新動詞を作るのは?
答えを見る / Vedi tutte le risposte

1. canticchiare(-icchiare 弱め)/2. festeggiare(-eggiare 派生)/3. dormicchiare(うとうと)/4. leggiucchiare(拾い読み)/5. -eggiare(名詞・形容詞から新動詞を作る派生。-icchiare は変意)。ポイント:-eggiare は派生、-icchiare 系は弱め・断続の変意。

Quiz
理解度クイズ

(クイズ準備中)

Domande frequenti
よくある質問

動詞の接尾辞について、B2レベルの学習者からよく寄せられる質問をまとめました。派生と変意の違いや、ニュアンスなど、つまずきやすい点を確認しておきましょう。

-eggiare と -icchiare はどう違いますか?

-eggiare は名詞・形容詞から新しい動詞を作る派生接尾辞(festa → festeggiare)、-icchiare は既存の動詞に「弱め・断続」のニュアンスを加える変意接尾辞(cantare → canticchiare)です。

canticchiare はどんな意味ですか?

「鼻歌を歌う、小声で口ずさむ」という意味です。cantare(歌う)に -icchiare が付いて、「軽く・とぎれとぎれに歌う」という弱めたニュアンスになります。

-icchiare はどんなニュアンスですか?

「弱め・断続・軽い軽蔑」を表します。本気ではなく、軽く・なんとなく・とぎれとぎれに行う動作を示し、自嘲的に使われることもあります。

変意接尾辞は自分で作れますか?

いいえ。変意動詞はどれも辞書に載っている既成の語です。好きな動詞に -icchiare を付ければ通じるわけではないので、辞書で確認した語を使いましょう。

-ettare や -ellare もありますか?

はい。-ettare/-ottare は「軽く〜する」(fischiettare, parlottare)、-ellare/-erellare は「断続的に〜する」(saltellare, giocherellare)を表す変意接尾辞です。

伊検2級・準1級に出ますか?

読解で変意動詞が登場することがあります。意味を推測できることが大切で、-icchiare(弱め)や -eggiare(派生)の代表例を知っておくと有利です。


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