動詞を含む熟語-句動詞 verbi sintagmatici ~イタリア語会話~#3

ティラミス tiramisù は好きですか? イタリアのデザートといえば”ティラミス”というくらいポピュラーなもの。実はティラミスは tirare (引きあげる)と前置詞 su (上に)という語句から出来たもの。『上に引き上げる⇒元気にする』という奥深い言葉が込められたデザートなのです。このように動詞を含む単語が組み合わさることにより特別な意味になる熟語についてを学びましょう。


熟語は2つの語句以上の単語から構成されひとつの意味をなすものをいいます。組み合わさることにより本来個々の単語が持っている意味とは異なる内容になります。

今回は熟語の中でも特に【動詞+副詞】または【動詞+前置詞】といったように動詞を含む熟語、句動詞にフォーカスをあてます。


句動詞はイタリア語で”verbi sintagmatici”。日本語でいきなり”句動詞”といわれてピンとこないようにverbi sintagmatici も専門用語なので一般の人には馴染みのない言葉です。『動詞を含む熟語』くらいに捉えておけばいいと思います。

冒頭で紹介した tiramisùの句動詞 “tirare su” の意味は:

  • 引き上げる、拾い上げる:
    Ho tirato su le chiavi, erano cadute. “私は落ちた鍵を拾い上げた。”

  • 元気にする,幸せにする:
    Ero triste e ho visto un film comico. Mi ha tirato su. “落ち込んでいたのでコメディ映画を見た。元気づけられた。”

上記の二つ目の意味は動詞そのものの”引き上げる”という意味が前置詞 su と共に句動詞を作ることにより”元気にする”になります。


イタリアではこのような句動詞は南部よりも北イタリアでよく使われます。また文語として使われるより口語で使われることの方が多いため新聞や書籍で目にするというよりニュースや話し言葉で耳にすることが多い言い回しといえます。そのため『動詞を含む熟語』というトピックを~イタリア語会話~のシリーズで紹介することにしました。

今回は特別な意味になる句動詞の例文を解説していきます。例えば下記の andare giù
もともとこれらの語句が持っている意味として ”下に行く” という意味もありますが句動詞としての特別な意味には下記に紹介したものがあります。

Andare – 行く


  • Andare giù:極めてふてぶてしい 
    Carlo non è stato gentile, è andato giù pesante.
    カルロは親切ではなかった、というよりふてぶてしかった。

  • Andare avanti: 続ける 
    Non posso andare avanti così. 
    私はこのように続けることはできない。

  • Andare contro: 真っ向から反抗する、食ってかかる
    Michele va sempre contro. 
    ミケーレはいつも反抗する。

  • Andare dietro: 従う、付き合う
    Giovanna va dietro a cattive compagnie.  
    ジョバンナは悪い連中と付き合っている。

  • Andare fuori: 気がふれる
    Giulio lavora troppo, è andato fuori. 
    ジュリオは働きすぎで気がふれた。

  • Andare sotto: 下限値を下回る 
    Ho speso troppi soldi, sono andato sotto in banca.
    私はお金を使い過ぎて銀行のお金がマイナスになった。

Buttare – 投げる、投げ捨てる


  • Buttarsi giù: 落ち込む (v. riflessivo) 
    Non ti buttare giù!  
    落ち込むな!

  • Buttare giù: 飲み込む、何か食べる 
     Non hai mangiato, butta giù qualcosa.
    (君は)何も食べていないね、何か食べなよ。

  • Buttare fuori: 追い出す 
    Ha rubato dei soldi al lavoro, lo hanno buttato fuori! 
    彼は職場のお金を盗んだので会社から追い出された。

  • Buttare via: 台無しにする、無駄にする 
    Ho buttato via un’occasione.  
    私は機会を逃した。

Essere – ~である


  • Esserci dentro:関わっている、関係する  
    Non puoi capire una situazione se non ci sei dentro.  
    関わっていないなら君には状況はわからない。

  • Essere giù: 悲しい、気が滅入っている  
    Sono un po’ giù, non mi piace il mio lavoro.
    ちょっと気が滅入っている、私は自分の仕事が好きじゃない。

  • Essere indietro:(予定より)遅れている  
    Michele è sempre indietro con il lavoro.  
    ミケーレはいつも仕事が遅れている。

  • Essere sotto:鈍感である 
    Monica non è molto sveglia, è un po’ sotto 
    モニカはあまり気が利くとはいえない、というか少し鈍感だ。

Mettere – 置く


  • Mettere giù:手早くメモする 
    Ho messo giù una proposta da discutere.  
    私は手早く議論すべき提案をメモした。

  • Mettersi sotto:集中して~する
    Gianni si è messo sotto a studiare.
    ジャンニは集中して勉強した。

  • Mettere su: 創る、作る 
    Graziella ha messo su famiglia.
    グラッツィエッラは家族をつくった。

  • Mettere via: 貯蓄する,蓄える  
    Flavio metterà via i soldi in banca.
    ファビオは銀行にお金を蓄えるつもりだ。

Portare – 運ぶ


  • Portare avanti: 続ける、進める
    Nelson Mandela ha portato avanti idee importanti.
    ネルソン・マンデラは重要なアイディアを進めた。

  • Portarsi avanti: 事前にやっておく
    Mi porto avanti con il lavoro.
    私は事前に仕事をやっておく。

  • Portarsi dietro: 一緒に連れて行く 
    Vado in vacanza, mi porto dietro il gatto. 
    私は休暇に猫を一緒に連れていく。

  • Portare via: さらっていく 
    Il vento ha portato via un albero.
    その風は木をさらっていった。

Tirare – 引く


  • Tirare avanti:なんとか暮らしていく 
    Non abbiamo più soldi per tirare avanti.  
    私達はなんとか暮らしていくお金もない。

  • Tirare fuori: 発揮する 
    Finalmente Giuliana ha tirato fuori del carattere.
    ようやくジュリアーナは個性を発揮した。

  • Tirare su:元気づける 
    La cena di questa sera mi tirerà su il morale.  
    今晩の夕食で私は元気づけられた。

  • Tirarsi indietro: 断る、ためらう 
    Se mi chiederanno aiuto, non mi tirerò indietro.
    もし彼らが私を必要としたならば断わらないだろう。


このほかにも沢山熟語はあります。あとはdante-learningのオンラインレッスンでネイティブイタリア人講師より活きたイタリア語を学んでください。まずはトライアルレッスンをお試しください。

オンラインでイタリア語レッスン
Zoom又はSkype

無料トライアルレッスン申込


24時間以上前まで予約可。Skype又はZoomとWebカメラを準備してからご予約ください。 予約状況を確認後、レッスン確定をメールにてお知らせ。ネイティブ講師との楽しいオンラインレッスンをお楽しみください。


    [無料トライアルレッスン-予約申請フォーム]

    氏名

    メールアドレス

    希望日選択 (土曜日休講)


    このフォームより予約申請が送信できない場合はこちらよりご連絡ください。

     info@dante-learning.com

    フォトクレジット NOVISSIMA Albo d’arti e lettere 1902 copertina -Edoardo De Fonseca

    Photo of author
    Mariko & Riccardo
    留学経験や豊富なイタリア語教授経験を活かし、小さなスクールならではのアットホームで個々のニーズに対応したサービス提供をモットーとする。 無類の猫好き、そして美味しいものが大好きでイタリアや日本の食文化をこよなく愛する。最近は食への探求心から家庭菜園でズッキーニやちょっと珍しいトマトを栽培中

    Leave a Comment

    Don`t copy text!