ラヴェンナ-Ravenna(前編)
イタリアのエミリア・ロマーニャ州にあるモザイクの町-ラヴェンナ。アドリア海に近いラヴェンナは紀元5世紀始めに西ローマ帝国の首都となりその後東ゴート王国や東ローマ帝国の支配下の中、素晴らしいビザンチン文化が花開きました。
モザイクの町として有名なラヴェンナ。初期キリスト教時代やビザンチン様式のモザイクは1500年程前のものとは思えないほど綺羅びやかであまりの美しさに圧倒されてしまいます。これら5~6世紀に建設された初期キリスト教建築物群はユネスコ遺産に登録されその数は8つもあります。
そしてdante-learningのロゴにもあるイタリアの大詩人ダンテ・アリギエーリが晩年を過ごし亡くなった町でもあります。
ほとんどの見どころスポットが歩いて回れます。早速お勧めスポットを幾つか紹介します。
① Basilica di San Vitale(サン・ヴィターレ聖堂)
初期キリスト教建築の重要建築物のひとつでマクシミアヌス司教によって6世紀に建設されました。
聖堂は八角形という変わった形。数字の8は“キリストの復活”という意味あるので神秘的な感じがします。
レンガ造りで形こそ変わっていますが外観だけだと質素な印象を受けます。そんな外観とは裏腹に中はビザンチン様式のモザイクが綺羅びやかに私達を迎えてくれます。
主祭壇天井部に描かれているキリストには髭がありません。初期キリスト教では髭なしのキリストが描かれることがあったそうです。豪華な金のモザイクにも感動することでしょう。
そして両脇にはビザンチン帝王であった〈ユスティニアヌス1世と重臣達のモザイク〉と〈皇妃テオドラと侍従のモザイク〉があります。真ん中の茶色っぽい服を纏ったユスティニアヌス1世(イタリア語読みではジュスティニアーノ Giustiniano I)の右隣りで十字架を持ったのがマクシミアヌス司教です。
床にも小鳥や花をモチーフにしたモザイクがあるのでお見逃しなく。
② Mausoleo di Galla Placidia(ガッラ・プラチーディア霊廟)
サン・ヴィターレ聖堂を出ると見えてくる小さな霊廟がガッラ・プラチーディア霊廟。プラチーディアは西ローマ皇帝の母であり、娘であり、妻でもあった人物で彼女が5世紀に自身の墓として建設させたものです。 十字の形をした内部の3方面には石棺があり皇帝一族が眠っています。この霊廟もまた外観はシンプルですが中は素晴らしいモザイクが一面に広がっています。特に入って直ぐの天井に広がる美しい濃紺のモザイクは現代においてもモダンな色とデザインで驚かされます。
③ Domus dei tappeti di pietra(ドムス・デイ・タッペーティ・ディ・ピエトラ
Sant’Eufemia教会の地下にある床モザイク。6世紀のモザイクは1993年この地に駐車場を作ろうとしたところ偶然発見されたもの。
綺羅びやかなモザイクではないものの計算しつくされた幾何学模様と植物のモザイクなどはさすがモザイクの町だと実感できます。Domus dei tappeti di pietraはアドリアーナ門(Porta Adriana)の近くにあります。入場料は大人€4.00
④ Tomba di Dante(ダンテの墓)
「神曲」のイタリアの大詩人ダンテ・アリギエーリはフィレンツェから追放された後、ラヴェンナに移住しこの地で亡くなりました。ダンテの墓の周辺は“zona del silenzio(静寂の場)と言われモザイクで飾られた標識があります。この標識に限らずラヴェンナの道標識の多くはモザイクが装飾されており道を探すのも楽しくなります。
今回紹介した①②はラヴェンナの聖堂や礼拝堂を効率よく回れる共通入場券(2013年7月現在7日間有効で€9.50)に含まれています。
番外編~ラヴェンナのあるエミリア・ロマーニャ州はpiadina(ピアディーナ)というピタパンのような郷土料理があります。簡単に食事を済ませたい時などにお勧め。簡単に・・・とはいえせっかくイタリア、その地方オリジナルの食事をしたいと思うのは決して欲張りではありません。 お勧めはポルケッタ(焼き豚)をはさんだピアディーナということで頂きました。美味しかったです。
ラヴェンナ-後編もありますので楽しみに待っていてください。