憧れの国、イタリア。陽気で情熱的なイタリア人は”チョイ悪” “セクシー””サッカー好き” などと色々なイメージがあります。そしてなんといっても世界遺産が最も多く存在するイタリアは芸術の国でありファッションでもクールなイメージ。
では実際のイタリアの姿はどうなのか。今回は〈留学〉という長期滞在で感じたイタリアの生活事情について主観的な観点で紹介
朝食 colazione
昔ながらの日本の朝食といえば、味噌汁にご飯そして鮭の塩焼き。こんなイメージのある日本人からすると食の国、イタリアの朝食が意外とシンプルなのに拍子抜けする。
基本的にイタリア人は朝食はカプチーノとブリオッシュ、またはビスコッティやちょっとした甘い物をいただく。
ということで朝からお野菜やお魚、パスタなどは食べない。旅行などで中級以上のホテルに泊まると朝食ビュッフェで色々な種類の食事が用意されるが通常の生活ではこのようなことはないのが現状。最初は「何、おやつみたいじゃん!」と思ったがイタリアのビスコッティなどに魅せられイタリアでは朝用のドルチェを選ぶのが楽しみになってしまった。
トイレ bagno
旅行大国であるにも関わらず公共トイレがあまりキレイといえないのがイタリア。しかも日本と比べるとトイレの数もかなり少ない。あったとしても個室の鍵が掛からなかったり、便座がない便器はかなりの頻度で目にする。ドアに手を当てながらいつ開けられるのではないかと腰を浮かせながら用を足した経験は数知れず。
公共トイレがあまり綺麗でないことはイタリア人も周知。そのため外出先ではほぼトイレに行かないという人(特に女性に多い)もいる。
こんな使い方をするイタリア人の家庭のトイレは一体どんなものか・・・・。何軒ものイタリア人のお宅を訪問したことがあるが各家庭のトイレは非常にキレイ!タオルもホテル並みに用意していることが多い。こういう人たちが家で行っているようにトイレを使えばどんなに公共トイレはキレイになることかと思うのは私だけか。
イタリア女性のパジャマ Pigiami da donna
イタリア女性といえば気が強くそれでいてセクシー。そんな彼女達は寝る時はきっとセクシーなネグリジェを着ているに違いない・・・・と思いきや意外とそうでもない。
居心地の良いコットンのパジャマ。しかも胸元にはちょっとダサめのクマちゃんやキャラクターが大きくプリントされている。誘惑するにはちょっと残念な感じのパジャマ。
留学先でお世話になったマンマ(といっても当時まだ40代前半)は普段着がかなりお洒落なイタリア女性だったが貸してくれたパジャマはやはりクマちゃんプリントだった。各街の青空市場でも着心地の良いオシャレ度ゼロのパジャマが売られている。セクシーさを捨て肌触りだけを追求するならば是非イタリアでパジャマ購入を!
意外と保守的イタリア人 conservatori
“amore, cantare, mangiare アモーレ、カンターレ、マンジャーレ (訳;愛する、歌う、食べる” といわれるように陽気なイメージのあるイタリア人。人懐っこく色々な事に興味津々に思えるが意外と保守的。もちろん個人差や土地柄もあるので一概にはいえないが自分の住み慣れた町を長期離れるのも抵抗がある人がかなりいる。あるイタリア語講師の女性は日本人が半年以上日本を離れ全く文化の異なるイタリアで暮らしていることに衝撃を受けていた。
そして食べ物にも抵抗を示す人が多い。日本食ブームとはいえ、基本的に自国料理が一番美味しいと思っているイタリアでは日本ほど各国のレストランが存在しない。SUSHIはまだしも刺し身という生魚を食べるというのに抵抗を感じる人も決して少なくない。せっかく日本食を披露しても見たこともない料理に積極的に手を伸ばす人は多くはない。披露して喜ばれたのが天ぷらや巻きずし、そして唐揚げとカレー。一方抵抗度が大きかったのは緑茶、味噌汁、お汁粉だった。お豆類は塩味系で食べるのが通常のため餡子のように豆類を甘くするという発想はないらしい。
洗濯機とアイロンがけ lavatrice / stirare i vestiti
日本の洗濯機は基本的に水洗いだが、イタリアの洗濯機は温度調節機能がある。30℃の低温から90℃の高温まである。洗う素材によっても仕訳があり、コットン用、化学繊維用、デリケート洗いなどがある。絞りも脱水回転が凄いパワーを持っているのかかなりキッチリと脱水される。一般的に時間が2時間程かかるのが難点だが洗濯効果にはかなりの満足感が得られる。日本の洗剤はもちろん冷水でも効果があるように開発されているのだろうがイタリアの方が洗濯に対する情熱が強い気がする。
イタリアはホテルだけでなく家庭のベッドを利用してもパリっとしたシーツに感動を覚える。太陽の光を浴びて乾燥した衣類やシーツはしっかりアイロンがけされる。シーツやワイシャツは分かるが、家庭によってはジーンズやタオル類、そして靴下やパンツまでもアイロンがけされるのだ。一度アイロンがけのパンツをはいたらそうでないとダメらしい。特に母親によってパンツのアイロンがけが当たり前になってしまった旦那をもつ女性は不平は相当なものだった。
自分の国や故郷についての誇り Campanilismo
自分の国、特に自分の生まれ故郷に誇りをもっているイタリア人が多い。そして彼らは自分の故郷について良く知っている人が多い印象を受けた。例えばナポリ出身のイタリア人とナポリの旧市街を歩いていると彼(又は彼女)はツアーガイドではないが建造物や町の歴史について説明してくれる。自分の町についてガイドのように話せる日本人はどのくらいいるだろうか?
留学を目的にしている場合はイタリア人のみならず各国の人と友達になる機会がある。そんなとき日本について話せるようにしておくのもコミュニケーションを構築していく上で大切なこと。自分の町について語れるところはイタリア人から学べる事のひとつのように感じる。
異国に触れることで日本との違い、そしてそれぞれの国の長所短所が見えてくると思います。語学を学習することで新たな自分発見をしてみませんか。
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