聖アントニオ祭-6月13日はヴェネト州パドヴァの守護聖人である聖アントニオが亡くなった日。毎年パドヴァを始めとするパドヴァ県の各地で聖アントニオに捧げる祭が行われます。今回のブログでは2013年6月13日のパドヴァの様子をレポート。
前回のブログでもお話したように聖アントニオはヴェネト州にあるパドヴァの守護聖人です。奇跡を沢山起こしたといわれる彼自身の遺骸にも奇跡が起きました。それは死後780年以上経っても腐敗していない舌と下顎。聖アントニオが亡くなった1231年にパドヴァにある教会に埋葬されましたがその後1263年に墓を移動するため掘り起こしたときに腐敗していない舌が発見されました。聖アントニオの舌が見つかって2013年でちょうど750年目を迎えました。 今年は彼の腐敗していない舌が見つかって750年という記念ある年だったので早速聖アントニオ祭を見にパドヴァに行ってみました。街中にこの写真にあるように赤児を抱く聖アントニオの旗や赤い旗がお店の前や家の窓、ベランダに飾られていました。
そして他にも目につくのが”Dolce del Santo” という聖人に捧げられたタルト。バールやお菓子屋の前に所狭しと並べられていました。
中身はスポンジケーキ(pan di Spagna), パイ生地(pastasfoglia),杏のジャム( marmellata di albicocche)が主な材料。大きさも大・中・小と豊富でお土産に最適でした。このお菓子はこの日以外もパドヴァを訪れれば買えるので是非見かけたらお試しください。今日ばかりはサンタントニオ聖堂の中庭でも売られていました。
それにしても思ったよりは人の数が少ない・・・というのが印象的でした。この”Dolce del Santo”の店員さん(彼女はこの地で20年も商売をしていると言っていました)によると今年は記念の年だというのに不況のせいか人が少ないとのこと。またそれ以上に敬虔な信者が数十年前に比べ少なくなったせいだともいっていました。
それでもサンタントニオ聖堂の中には大勢の人がこの聖地を訪れていました。聖アントニオの墓では手をあて願い事、そして感謝の言葉をかけていく人々が後を断ちませんでした。
大勢の巡礼者や観光客、そして13日の午後5時半からは聖アントニオの像がパドヴァの大通りを行進するため多くの警官(カラビニエーリ)が警備にあたっていました。珍しい制服の警官がいたので写真をお願いしたら快く引き受けてくれました。
2013年の6月13日は晴天に恵まれ、気温も35度超になりました。屋台の聖アントニオが描かれたろうそくも溶けそうなくらいの暑さでした。
サンタントニオ聖堂からプラート・デッラ・バッレ(Prato della Valle)というお堀がある楕円形の広場までは賑やかでしたが、細い道へ入ると静寂な空間が広がっていました。
2013年6月13日