イタリアのチーズといえばモッツァレラ、パルミジャーノ、リコッタ、マスカルポーネ・・・・など
チーズ好きはエンドレスに名前が出てくるほど多種多様のチーズがあります。今回はDOP(Denominazione di Origine Protetta、原産地名称保護制度)チーズとして生産量第6位をほこるアジアーゴ・チーズを紹介します。
アジアーゴ・チーズ(Asiago formaggio)はヴェネト州ヴィツェンツァ県にあるAsiagoで作られるセミハードタイプのチーズのことをいいます。チーズはイタリア語でformaggio(フォルマッジョ)。
アジアーゴ・チーズはDOP(Denominazione di Origine Protetta、原産地名称保護制度)チーズであり、産地はヴェネト州とトレンティーノ=アルト・アディジェ州です。
アジアーゴ・チーズは10世紀頃からアジアーゴのある高原地帯で作られていました。当時は羊の乳から作られていましたが16世紀ころから牛が飼われ始め今では牛乳から作られるアジアーゴ・フォルマッジョがスタンダードになりました。アジアーゴ・フォルマッジョには大きく”Asiago d’allevoアジアーゴ・ダッレーヴォ” と “Asiago pressatoアジアーゴ・プレッサート”の2つに分類できます。
アジアーゴ・ダッレーヴォは脱脂乳を熟成させて作ったフォルマッジョで熟成期間によって味が異なります。熟成3~8カ月ほどのものはAsiago mezzano、1年前後熟成させたものはAsiago vecchio, 2年以上のAsiago stravecchioといいます。熟成期間の長いものほどピリッとした刺激があり、味も濃厚になりますがクセがなく食べやすいセミハードの食感です。切り分ける前のダッレーヴォの直径は30㎝以上、重さは10kg前後の円盤型。含有する乳脂肪は最低34%です。因みに一般的なチーズの平均乳脂肪率は45%です。
一方アジアーゴ・プレッサートはアジアーゴ・フレスコとも言われその名の通り牛の全乳を20~40日間寝かせて作られたとてもフレッシュなフォルマッジョです。ほのかに甘くとても繊細な味。色は白~淡く薄いクリーム色で,味だけでなく色もとてもデリケートなものです。出来立てのプレッサートは少し木綿豆腐に外見が似ています。プレッサートの直径は30~40㎝ほどで重さは13kg前後の円盤型。含有する乳脂肪は最低44%です。
このフォルマッジョの製造過程において凝固剤で固まった凝乳物を小さく細かく刻む道具をリラ(lira)といいます。liraは読み方も綴りも以前のイタリア貨幣と同じです。製造過程でこのリラという道具の他、大きな杓文字のようなものを使ってフォルマッジョ独特の弾力を出します。
フォルマッジョに弾力が出てちょうど良い細かさになったら直径40cmくらいの型に入れて成形されます。
フォルマッジョ、つまりチーズ文化のなかった日本人にとってイタリアに行くとこんなにもフォルマッジョの種類があるのかと驚きます。日本でチーズがあまり好きでない人もイタリアに行った際には先入観を捨て色々なものを試してください。フォルマッジョへのイメージが変わると思います。特にこのようなフォルマッジョが作られる過程を見られるイベントに出会えるとよりチーズへの興味は増すと思います。
◕ 役立つ単語 ◕
- mozzarella モッツァレラチーズ
- gorgonzola ゴルゴンゾーラ
- parmigiano reggiano パルミジャーノ・レッジャーノ
- grana padana グラナ・パダーノ
- pecorino ペコリーノ
- mascarpone マスカルポーネ
- ricotta リコッタチーズ
- caciocavallo カッチョカヴァッロ
- fresco 生の、新鮮な
- vecchio 古い、よく熟成した
- stagionato 熟成された
- forte 強い
- delicato 繊細な、上品な
- mescolare 混ぜる、混合する
- assaggiare 味見する
- provare 試す
- tagliare 切る
✤ mozzarella ~caciocavallo は全てチーズの名前です。イタリアにはもっと色々な種類のチーズがあります。
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