中世の祭り-Il Castello di San Martino della Vanezaより

中世の祭り-Il Castello di San Martino della Vanezaより

世界的にも有名なのがトスカーナ州・シエナのカンポ広場で行われる競馬のパーリオ(palio)。しかしパーリオはシエナだけではなくイタリアの各地でパーリオが開催され、その多くは中世時代を再現した衣装を纏い競馬や弓矢などの競技がコムーネ(地区)毎に競われます。
パーリオ祭では競技のほか、中世時代を再現したショーや屋台が並び誰もが中世時代にタイムスリップした気分になれます。

今回紹介する中世の祭りはヴェネト州のパドヴァ県にあるチェルヴァレーゼ・サンタ・クローチェ(Cervarese Santa Croce)にあるお城・il castello di San Martino della Vanezaで行われたパーリオ祭でのもの。中世の城周囲で行われた祭りは14世紀城主であったNicolò da Carraraと彼の率いた軍隊に捧げるものです。

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Bacchiglione 川(ヴィチェンツア県とパドヴァ県を流れる川)に面するこの城の塔は紀元後1000年には存在しましたが、14世紀初め周りを補強されパドヴァ周辺の重要な要塞として使用されました。現在でも保存状態がよいこの城は中世当時の軍事建築を垣間見ることができます。

バラ水 近隣の都市国家との戦いが耐えなかったパドヴァ。14世紀にパドヴァ市は兵士としても有能だった北イタリアの重要な貴族であったCarraresi家(又はda Carraraともいう)のNicolò da Carrara(ニコロ・ダ・カッラーラ)に城を譲渡しました。

今回は2013年7月26日~28日まで行われたパーリオ祭の27日の夜の様子を紹介します。
城の周囲には中世を再現したテントが並び、中世時代に使われていた武器の展示や陶器や食べ物が売られていました。簡易バールではピアディーナが石窯で焼かれお好みのプロシュットやプロシュット・コットを挟んでビールやワインで夏の夜を楽しむ人々が溢れていました。

特別に城内の中庭で行われた中世の食事を再現した晩餐会(Banchetto a corte con Nicolò da Carrara)の様子をレポート。この晩餐会は要予約です。大人1人€40ですがフルコース&目の前で繰り広げられるショーの数々を含めた値段としてはかなりお手頃価格といえます。まずはバラ水で手を洗ってから食事開始!中世の時代はフォークやナイフはなかったためスプーンのようなものと手で食事をしていたそうです。

というわけでフォークやナイフは用意されておらず手が汚れたら紙のナプキンかテーブルクロスで拭いてくださいとのことでした。前菜から始まり2種類のプリモ・ピアット、2種類のセコンド・ピアット、そしてドルチェをいただきました。お肉料理は中世当時の料理保存法と同じようにかなりスパイスと塩の効いたイノシシのシチューやウズラの丸焼きがテーブルに運ばれてきました。

 

セコンド・ピアットに添えられたパンは白いパン。中世時代、精製された小麦を使って作られる白いパンは貴族のみが許される贅沢だったそうです。

今回参加したパーリオ祭での晩餐会は小さな町のものですが訪れた人の数はかなりのもの。イタリア人の他、スペインやノルウェーといった海外からも訪問客がある人気イベントです。
晩餐会が終了する頃、城外ではクライマックスのひとつ、1372年パドヴァ軍とヴェネツィア軍の戦いを再現したショーが広場で行われました。そして真夜中が近づく頃フィナーレの”Incendio del Castello”が観客を楽しませてくれました。これは城が炎に包まれるもの。メインイベントのひとつです。
真夜中が過ぎても屋台やテントバールでの宴は続きました。

cena posate+

 

今回紹介した中世の祭り:XIX Palio dello Sparviero 26/27/28 Luglio 2013

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Mariko & Riccardo
留学経験や豊富なイタリア語教授経験を活かし、小さなスクールならではのアットホームで個々のニーズに対応したサービス提供をモットーとする。 無類の猫好き、そして美味しいものが大好きでイタリアや日本の食文化をこよなく愛する。最近は食への探求心から家庭菜園でズッキーニやちょっと珍しいトマトを栽培中

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