ラヴェンナ-Ravenna(後編)
イタリアのエミリア・ロマーニャ州にあるモザイクの町-ラヴェンナ。ビザンチン様式のモザイクがある聖堂や礼拝堂は1500年ほど前のものとは思えないほど綺羅びやかで荘厳な空間を作っています。ユネスコ遺産が8つもあるラヴェンナの魅力・後編をお楽しみください。
かつて西ローマ帝国の首都だったラヴェンナには今でも初期キリスト教時代やビザンチン様式のモザイクが残っています。
ラヴェンナは8つのユネスコ遺産があり、その他にも見どころスポットが沢山ありますがほとんどが歩いて回れるほどの小ぢんまりとした町。旧市街にはレンタル自転車もおいてありますのでチャリで廻ることもできます。
それでは後編のお勧めスポットを巡りましょう。
⑤ Museo Arcivescovile 大司教博物館
ラヴェンナの大聖堂Duomoの直ぐ裏にある博物館。
この博物館にはラヴェンナの大司教だったマクシミアヌスの素晴らしい象牙の司教座が展示されています。博物館内にもモザイクや彫刻、絵画がありますがこの館内は全て撮影禁止となっています。
⑥ Battistero Neoniano(ネオニアーノ洗礼堂)
こちらもラヴェンナ大聖堂のすぐ横にある洗礼堂でラヴェンナの遺跡で最も古いもののひとつ。八角形の小さい空間内部一面に5世紀初期モザイクが装飾されています。
特に天井にある洗礼を受けるキリストとその周りに描かれている12使徒のモザイクが有名です。礼拝堂の真ん中には井戸のようなものがあり、現在はお賽銭箱のように各国のコインが投げ込まれていますがこの地は洗礼堂である前は古代ローマ浴場として使われていました。
⑦ Basilica di Sant’Apollinale Nuovo(サンタポッリナーレ・ヌオーヴォ聖堂)
この聖堂は6世紀にゴート族によって建設された教会。外観はとても質素ですが中に入ると祭壇へと続く身廊の壁にはこれまた素晴らしいモザイクがあります。〈キリスト誕生を祝福するために駆けつけた東方三博士〉や〈聖母子〉のモザイクの他、ビザンチン様式の典型的な題材である〈聖母子の元へ向かう聖女22人〉〈キリストも元へ向かう26人の殉教者〉のモザイクなどがあります。
⑧ Mausoleo di Teodorico (テオドーリコ王の霊廟)
テオドーリコ王によって紀元520年に建設された霊廟。こちらは特にモザイクがあるわけではないのですが、直径10メートル、重量300トンあるクーポラはなんとたったひとつの石からできているという。ユネスコ遺産
⑨ Basilica di Sant’Apollinare in Classe(サンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂)
この聖堂はラヴェンナの旧市街から少し離れているためバスか車でいくしかないがわざわざ足を運ぶ価値のある6世紀初期に建てられた聖堂。祭壇の内陣にはラヴェンナの守護聖人・聖アポッリナーレと羊のモザイクに目を奪われます。聖アポッリナーレの横にいる12頭の羊は12使徒を表し、少し上にいる3頭の羊はペテロ、ヨハネ、ヤコブを表しているそうです。預言者モーゼとエリアに囲まれた大きな十字架の真ん中にはよく見るとキリストの顔が描かれています。
ラヴェンナの守護聖人聖アポッリナーレの祝日7月23日前後は毎年色々なイベントがあります。小ぢんまりした町ながらもゆっくりとモザイク鑑賞をしたい場合は一日では足りないくらいです。
前回に引き続き今回紹介したスポットで①②⑤⑥⑦の5つの遺跡はユネスコ遺産でもあり、お得な共通チケット(2013年7月時点で€9.50)で全て入場することができます。この共通チケットは7日間有効なのでラヴェンナをゆっくりと楽しむことができます。ラヴェンナには鉄道FSの駅もあり近隣のボローニャやフェッラーラ、リミニといった町にもアクセスしやすくなっています。
ラヴェンナのあるエミリア・ロマーニャ州はボローニャ、パルマ、モデナといった食の町が豊富な州で食と文化を満喫できるのでイタリアのお勧めスポットのひとつです。